ミオパチーの原因となるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
甲状腺機能亢進症は、筋肉のタンパク質代謝異常やエネルギー代謝の亢進により、筋力低下、筋萎縮、易疲労性などの症状を呈する甲状腺中毒性ミオパチーを引き起こすことが知られています。これは内分泌疾患に伴う二次性ミオパチーの代表例です。
選択肢ごとの解説
- 1. 一酸化炭素中毒は、主に脳や心臓に障害を引き起こし、中枢神経症状や心筋障害を呈しますが、直接的なミオパチーの原因とは考えられていません。横紋筋融解症を引き起こすことはありますが、これはミオパチーとは異なる病態です。正しくは:一酸化炭素中毒は、横紋筋融解症を引き起こす可能性はあるが、ミオパチーの直接的な原因ではない。選びやすい理由:中毒という言葉から、全身に影響を及ぼす疾患の一種と捉えられやすい。混同注意:中毒性ニューロパチーや横紋筋融解症といった、他の神経筋疾患と混同されやすい。
- 2. 正解。甲状腺機能亢進症、特に重度の場合や長期にわたる場合、甲状腺中毒性ミオパチーを引き起こすことがあります。これは、筋肉の代謝異常や構造変化によって筋力低下や筋萎縮を来す疾患です。選びやすい理由:内分泌系の疾患が直接筋肉に影響を及ぼすという知識が不足していると、見落としやすいかもしれない。
- 3. 水銀中毒は主に中枢神経系や腎臓に影響を与え、振戦、構音障害、腎障害などを引き起こしますが、ミオパチーの主要な原因ではありません。末梢神経障害(ニューロパチー)は引き起こす可能性があります。正しくは:水銀中毒は、主に中枢神経系や腎臓に影響を与え、末梢神経障害を引き起こすことがあるが、ミオパチーの主要な原因ではない。選びやすい理由:重金属中毒が全身に悪影響を及ぼすため、筋肉も含まれると誤解されやすい。混同注意:多発性神経炎などの神経障害と混同しやすい。
- 4. 鉛中毒は、主に消化器症状、貧血、腎障害、中枢神経症状、そして末梢神経障害(特に運動神経障害)を引き起こしますが、ミオパチーの直接的な原因とは通常考えられません。正しくは:鉛中毒は、末梢神経障害や消化器症状などを引き起こすが、ミオパチーの直接的な原因ではない。選びやすい理由:重金属中毒という点で、広範囲の症状を想像しやすく、筋肉への影響も含まれると考える可能性がある。混同注意:末梢神経障害(ニューロパチー)とミオパチーを混同しやすい。
- 5. ヒ素中毒は、急性では消化器症状や循環器症状、慢性では皮膚病変、多発性神経炎(ニューロパチー)、造血器障害などを引き起こしますが、ミオパチーの直接的な原因ではありません。正しくは:ヒ素中毒は、多発性神経炎などを引き起こすが、ミオパチーの直接的な原因ではない。選びやすい理由:他の重金属中毒と同様に、全身性の中毒症状の一つとして筋肉への影響を連想しやすい。混同注意:末梢神経障害(ニューロパチー)とミオパチーを混同しやすい。
国試ポイント
この問題は、特定の疾患や中毒が引き起こす病態生理学的影響について、特に神経疾患と筋疾患の鑑別が適切にできるかを問うものです。ミオパチーの多様な原因、特に内分泌性ミオパチーに関する知識が試されています。
混同注意
中毒性ニューロパチー(神経障害)と中毒性ミオパチー(筋障害)は混同されやすい。多くの重金属中毒は神経障害を引き起こす傾向があるため、筋肉自体への影響と区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他の内分泌疾患(例:甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症)によるミオパチーや、薬剤性ミオパチー、あるいは遺伝性ミオパチーとニューロパチーの鑑別を問う問題が出ると考えられます。それぞれの疾患がどのような機序で筋肉や神経に影響を与えるかを把握しておく必要があります。
関連知識
ミオパチーの原因には、遺伝性(筋ジストロフィーなど)、炎症性(多発性筋炎など)、内分泌性(甲状腺機能亢進症・低下症、クッシング症候群など)、薬剤性(ステロイドミオパチーなど)、代謝性(糖原病など)など多岐にわたります。神経原性疾患(ニューロパチー)と筋原性疾患(ミオパチー)の症状や検査所見(筋電図など)の違いを理解することが重要です。