Brunnstrom法ステージⅣの判定基準で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
Brunnstrom法における下肢のステージⅣでは、共同運動パターンからの部分的離脱が可能となります。選択肢5にある「座位で踵を床につけたまま足関節を背屈させる」という動作は、屈曲共同運動(股関節屈曲、膝関節屈曲、足関節背屈)からの逸脱であり、足関節の背屈が膝関節の屈曲を伴わずに自立して行えることを示しています。これはステージⅣの明確な基準の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. これはBrunnstrom法ステージⅣの判定基準ではありません。肩関節の随意的な分離運動はステージⅣでみられますが、90度外転単独では特定のステージを指しません。特に『座位で』という条件がついています。正しくは:肩関節の分離運動として、たとえば「肩関節を伸展位に保ちながら肘関節を伸展できる」などの選択肢であればステージⅣの一部を示す可能性があります。選びやすい理由:上肢の分離運動の回復として、ある程度の肩関節運動ができることをイメージしてしまいやすいですが、特定のステージの明確な基準ではありません。混同注意:ステージⅢとⅣの区別、あるいはⅣとⅤの区別が曖昧な場合に混同しやすいです。ステージⅣでは共同運動パターンからの逸脱が始まる段階です。
- 2. この複合的な動きは、Brunnstrom法ステージⅣの判定基準としては正確ではありません。前腕の回内外は分離運動ですが、肩関節90度屈曲かつ肘関節伸展位という条件が加わると、より高次の分離運動を示唆し、ステージⅤやⅥで可能となることが多いです。正しくは:より基本的な分離運動である「共同運動パターンからの逸脱」がステージⅣの特徴です。例えば「屈曲共同運動の出現なしに、肘を伸展できる」などがステージⅣの基準に近いです。選びやすい理由:前腕の回内・回外は分離運動であるため、回復の兆しとして正しいように思えますが、他の関節との複合的な動きの制限を考慮する必要があります。混同注意:ステージⅣでの分離運動の開始と、ステージⅤ・Ⅵでのより完全な分離運動との区別がつきにくい場合に混同します。
- 3. 手指の対向つまみ(ピンチ動作)は、Brunnstrom法のステージⅣの基準としては不適切です。これは非常に繊細で高次の手指の分離運動であり、通常はステージⅤまたはⅥで初めて可能となります。正しくは:ステージⅣでの手の機能は、「集団把持(マス・グラップ)が可能」や「フック把持が可能」など、より粗大な把握能力に限定されます。選びやすい理由:手の機能回復を期待して、対向つまみができると回復が進んでいるというイメージから選択してしまいがちですが、Ⅳではまだ早期過ぎます。混同注意:手のステージⅣからⅥまでの細かい違い、特に「集団把持」「側方つまみ」「対向つまみ」などの段階と混同しやすいです。
- 4. 下腿部の内外旋は、Brunnstrom法における下肢のステージⅣの判定基準ではありません。下肢の分離運動としては、より上位のステージⅤやⅥで可能となることが多い運動です。正しくは:下肢のステージⅣでは、「膝屈曲90度位から足関節背屈が可能」や「股関節屈曲を伴わずに膝関節屈曲が可能」といった、より基本的な共同運動からの分離が特徴です。選びやすい理由:下肢の分離運動として、膝から下の動きは回復が進んでいるととらえがちですが、具体的な基準とは異なります。混同注意:下肢のステージⅢとⅣの区別や、ⅣとⅤの区別が曖昧な場合に混同しやすいです。
- 5. 正解。これはBrunnstrom法の下肢におけるステージⅣの判定基準の一つです。共同運動パターン(例えば股関節伸展・膝関節伸展・足関節底屈)から逸脱し、膝関節屈曲を伴わずに足関節背屈ができる能力は、ステージⅣの代表的な分離運動の指標となります。
国試ポイント
Brunnstrom法における各ステージの具体的な判定基準、特に上肢と下肢の分離運動の程度を正確に理解しているかが問われます。共同運動パターンからの逸脱がどの程度のレベルで可能になるかが重要です。
混同注意
Brunnstrom法の各ステージ(特にⅢ、Ⅳ、Ⅴ)における上肢と下肢、手指のそれぞれの判定基準が混同されやすいです。粗大な運動と繊細な運動の区別、共同運動と分離運動の区別を正確に把握しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後この論点が出題された場合、上肢・下肢・手指のいずれの部位のどのステージが問われているか、共同運動パターンと分離運動のどちらに焦点が当たっているかを確認し、各ステージの具体的な運動内容を想起して判断します。
関連知識
Brunnstrom法のステージ分類(Ⅰ〜Ⅵ)、各ステージの特徴的な共同運動パターンと分離運動、回復の進行方向。Bobath法やPNFなどの他の治療法との概念的な違い。