内側型変形性膝関節症における歩行の特徴で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
内側型変形性膝関節症では、膝関節の痛みや変形により歩行速度が低下します。歩行速度の低下は、歩行時の推進力(前方への床反力)および制動力(後方への床反力)の減少を招きます。したがって、床反力の前後方向成分は小さくなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 内側型変形性膝関節症では、O脚変形に伴う膝関節内側への荷重を軽減するため、重心を外側に移動させる傾向があり、結果として歩隔は広くなります。正しくは:歩隔は広くなる。選びやすい理由:一般的な痛みによる歩行の慎重さから歩隔が狭くなると誤解する可能性や、他の疾患での歩隔の変化と混同する可能性があります。混同注意:股関節疾患など、他の下肢疾患における歩隔の変化。
- 2. 疼痛がある場合、患肢への荷重時間を短くしようとするため、患肢での片脚支持期が短くなります。この代償として、両脚支持期はむしろ延長する傾向があります。正しくは:両脚支持期は延長する。選びやすい理由:歩行速度が低下すると歩行周期全体が長くなるため、各相も長くなると連想しにくい場合があるかもしれません。混同注意:健常者における歩行速度と両脚支持期の関係(高速歩行では短縮)。
- 3. 変形性膝関節症の疼痛や膝関節の可動域制限により、歩行速度は低下し、歩幅も狭くなります。この状態では、体幹や骨盤の回旋運動は減少する傾向があります。正しくは:骨盤の回旋は減少する。選びやすい理由:膝の動きの制限を他の部位で代償しようとする考えから、回旋が増加すると推測してしまう可能性があります。混同注意:股関節疾患や、痙性麻痺など他の神経疾患による骨盤の過剰な回旋。
- 4. 疼痛による歩行速度の低下や、膝関節の屈曲拘縮がある場合、歩行時の股関節の伸展はむしろ減少する傾向にあります。正しくは:股関節の伸展角度は減少する。選びやすい理由:膝の伸展制限を補うために、股関節で代償的に大きく動かそうとすると考える可能性があります。混同注意:正常歩行における股関節の伸展運動や、他の疾患で股関節の過伸展が生じるケース。
- 5. 正解。内側型変形性膝関節症では、膝の痛みや関節の不安定性から、歩行速度が低下します。歩行速度が低下すると、地面を蹴り出す推進力(前方成分)やブレーキ力(後方成分)が減少し、結果として床反力の前後方向成分は小さくなります。
国試ポイント
変形性膝関節症(特に内側型)における特徴的な歩行パターンとその力学的変化を理解しているか問う問題です。疼痛や関節変形が歩行の各相に与える影響を把握している必要があります。
混同注意
正常歩行の運動学的・運動力学的データや、他の疾患(例: 股関節疾患、神経疾患)における歩行パターンと混同しやすいです。特に、代償動作として増加する動きと減少する動きを正確に区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
変形性膝関節症の歩行分析において、矢状面・前額面・水平面における関節運動、筋活動、重心動揺、床反力成分がそれぞれどのように変化するか具体的に説明できるか。また、外側型変形性膝関節症や他の疾患の歩行との違いを区別できるか。
関連知識
変形性膝関節症の病態生理、疼痛が歩行に与える影響、歩行の運動学的・運動力学的分析(歩隔、両脚支持期、関節角度、床反力成分など)、疼痛性跛行の特徴。