ICFコアセットについて正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ICFコアセットは、特定の疾患や健康状態において、ICFの膨大な項目の中から、臨床的に最も関連性の高い項目を厳選してまとめたものです。これにより、ICFを用いた評価の効率性と標準化が図られます。脳卒中はICFコアセットが最初に開発された疾患の一つであり、その有用性が広く認識されています。
選択肢ごとの解説
- 1. ICFコアセットには、疾患ごとの包括セット(Comprehensive Core Set)と簡略セット(Brief Core Set)があり、さらに疾患を問わない一般セット(Generic Set)も作られています。「一般セットと包括セットの2種類」という記述は誤りです。正しくは:ICFコアセットの分類は、疾患別や状況別(例:急性期、慢性期)に作成されます。選びやすい理由:ICFの概念に「簡略版」や「詳細版」といった使い分けがあるため、それに似た用語で混同しやすい。混同注意:ICFの簡略版/詳細版と、ICFコアセットの分類を混同している可能性があります。
- 2. 簡素な評価に用いられるのは、疾患ごとのコアセットのうち項目数を絞った簡略セット(Brief Core Set)です。正しくは:疾患や状況に応じた特定のICFコアセットは、簡易的な評価ではなく、特定の状態を包括的に評価するために用いられます。選びやすい理由:「一般」という言葉から、広く浅く使われるものだと誤解しやすい。混同注意:「一般セット」という架空の分類と、「簡略版コアセット」またはICFの「簡略版」を混同する可能性があります。
- 3. 包括セットは、その疾患の患者で評価すべき項目を幅広く選んだものですが、ICFの全コードを評価するものではありません。コアセットはICFの多数の項目から関連の深いものを選んで評価を効率化する仕組みです。正しくは:ICFの全コード項目を評価することは非現実的であり、コアセットの概念とは矛盾します。選びやすい理由:「包括」という言葉から、全体を網羅するというイメージを連想し、全コードを指すと誤解しやすい。混同注意:「包括」という言葉の一般的な意味と、ICFコアセットの役割を混同する可能性があります。コアセットは「包括的な評価」を目指しますが、それは「全項目を評価する」こととは異なります。
- 4. ICF(国際生活機能分類)は、健康状態に関連する機能、活動、参加といった生活機能全体を記述する分類であり、ICD(国際疾病分類)は疾病や死因を分類するものです。両者は補完関係にありますが、目的は異なります。ICFは「生活機能と障害」を、ICDは「疾病」を分類します。正しくは:ICFは生活機能と障害の分類であり、ICDは疾病と死因の分類であるため、目的は異なりますが、互いに補完し合う関係にあります。選びやすい理由:どちらもWHOが作成した国際分類であるため、同じような目的で使用されると誤解しやすい。混同注意:ICFとICDの作成機関が同じであること、および「分類」という共通点から、その目的や内容を混同しやすいです。
- 5. 正解。ICFコアセットは特定の疾患や健康状態に合わせて開発されており、脳卒中はその代表的な疾患の一つです。脳卒中以外にも、慢性腰痛、COPD、乳がんなど様々な疾患・状況に応じたコアセットが国際的に開発・承認され、臨床や研究で活用されています。
国試ポイント
ICFコアセットの基本的な概念、目的、そして具体例(どのような疾患で開発されているか)が問われています。特に、ICFとICDの違い、コアセットの分類や目的に関する誤解を誘発する選択肢が含まれています。
混同注意
ICFとICDの混同。ICFコアセットの「全体を網羅する」という意味合いと「ICF全コードを評価する」という誤解。コアセットの分類に関する誤解。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、ICFコアセットがどのような目的で、どのような疾患や状況において開発されているか、また、ICFとICDの違いを正確に理解しているかが問われるでしょう。具体的なコアセットの項目や、各要素(活動、参加など)の具体的な内容を問う問題も考えられます。
関連知識
ICFの構成要素(心身機能・身体構造、活動、参加、環境因子、個人因子)、ICD-10の概要、WHOの国際分類ファミリー(WHO-FIC)。コアセットの開発プロセスや、急性期・慢性期といったステージ別のコアセットの存在。