超音波治療が可能なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
超音波治療は金属に吸収されにくく、かつ金属によって超音波が拡散・反射されることで周辺組織への影響が少ないため、骨折が金属プレートで固定されている部位への実施は許容されます。金属プレート自体が温熱効果で過度に熱くなることも通常ありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。金属プレートは超音波を強く吸収せず、むしろ反射・拡散させるため、超音波治療の禁忌とはなりません。むしろ、骨折治癒の促進効果が期待される場合があります。選びやすい理由:金属が存在するため、何らかの悪影響があるのではないかと考える人がいるかもしれませんが、超音波は金属に対しては安全性が高いです。混同注意:金属に対するマイクロ波などの電磁波治療(禁忌)との混同。
- 2. 血友病による関節症は出血傾向があるため、超音波による組織への微細な刺激や血管への影響が出血を増悪させるリスクがあるため禁忌です。正しくは:出血傾向のある病態や部位では超音波治療は行わない。選びやすい理由:関節症に対する治療法として超音波治療が有効な場合もあるため、安易に選択してしまいやすい。混同注意:非出血性の変形性関節症など、超音波治療が適応となる他の関節疾患との混同。
- 3. 小児の成長軟骨板(骨端線)は、超音波治療による温熱効果や機械的刺激によって成長障害を引き起こす可能性があるため、禁忌です。正しくは:成長期にある骨端線(成長軟骨板)への超音波治療は行わない。選びやすい理由:小児に対する物理療法全般が慎重に行われるべきであるという漠然とした知識から、選択しやすい。混同注意:成人骨への超音波治療(適応)との混同。
- 4. 深部静脈血栓症の部位に超音波を照射すると、血栓が剥がれて肺塞栓症などの重篤な合併症を引き起こすリスクがあるため、絶対禁忌です。正しくは:血栓症の部位への超音波治療は行わない。選びやすい理由:血行促進効果があるため、血栓の溶解を期待してしまうかもしれないが、これは誤りである。混同注意:浮腫改善を目的としたリンパドレナージなど、血流改善を目的とする他の治療法との混同。
- 5. 悪性腫瘍部位への超音波治療は、腫瘍細胞の増殖促進や転移を促進するリスクがあるため、禁忌です。特に骨転移部位は骨脆弱性も伴うため、さらに危険です。正しくは:悪性腫瘍部位への超音波治療は行わない。選びやすい理由:疼痛緩和効果を期待して、がんによる疼痛がある場合に選択したくなるかもしれない。混同注意:良性腫瘍や嚢胞など、超音波診断では区別が難しいが治療適応とならない病態との混同。
国試ポイント
超音波治療の禁忌と相対的禁忌(注意して実施する部位・病態)を正確に区別して覚えること。
混同注意
超音波治療の禁忌部位と、温熱療法全般の禁忌部位が混同されやすい。超音波は機械的振動エネルギーであり、温熱効果はその一部に過ぎないため、一般的な温熱療法の禁忌と異なる場合がある。
次に同じ論点が出たら
金属インプラントが存在する場合でも、超音波治療は一般的に許容されるが、特に高出力での長時間の使用は注意を要することを判断基準とする。
関連知識
超音波治療は、温熱効果(血流改善、疼痛緩和)と非温熱効果(細胞膜透過性亢進、組織修復促進)の両方を持つ。低出力パルス超音波(LIPUS)は骨折治癒促進に用いられる。