脳卒中片麻痺者の応用歩行練習について麻痺側から行う場合が多いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
脳卒中片麻痺患者の応用歩行訓練において、低い障害物をまたぐ際に麻痺側から踏み出すのは、麻痺側への重心移動を促し、バランス能力や協調性を改善させるための重要な訓練法です。この動作では、健側が支持脚として安定性を保つため、比較的安全に訓練が行えます。
選択肢ごとの解説
- 1. エスカレーターの乗車時、特に上りでは健側から足を乗せ、麻痺側を後から引き上げるのが一般的です。これは安定性を確保するためです。正しくは:エスカレーターに乗車する際は、健側から足を乗せる。選びやすい理由:麻痺側への意識付けという点で迷うかもしれませんが、安全性の確保が優先されます。混同注意:健側リードの原則と混同しやすいです。
- 2. 正解。低い障害物をまたぐ際は、麻痺側から足を踏み出すことで、麻痺側の重心移動を促し、バランス能力と協調性を向上させる目的があります。健側は支持脚としての役割を果たすため、安定した状態を保てます。選びやすい理由:健側から踏み出す方が安定すると思われがちですが、訓練の目的を考えると麻痺側リードが適切です。混同注意:階段昇降時の健側リードと混同しやすいです。
- 3. 急なスロープを上る際は、より強い筋力とバランスが求められるため、一般的には健側から足を踏み出し、麻痺側を下から持ち上げるようにすると安定します。これは「健側リード」の原則に基づきます。正しくは:急なスロープを上る際は、健側から足を出す。選びやすい理由:応用歩行訓練のため、あえて麻痺側からと考えるかもしれませんが、安全な訓練には健側リードが基本です。混同注意:平地の歩行訓練や、あえて麻痺側から行う訓練と混同しやすいです。
- 4. 階段を上る際は、健側の足で踏み出し、麻痺側を下から引き上げるようにします。これは「健側リード」の原則であり、安定性と安全性を確保するためです。正しくは:階段を上る際は、健側から足を出す。選びやすい理由:応用歩行訓練のため、あえて麻痺側からと考えるかもしれませんが、安全な訓練には健側リードが基本です。混同注意:階段を降りる際の麻痺側リードと混同しやすいです。
- 5. バスへの乗車は、段差が大きく不安定な状況になりやすいため、基本的には健側から足を踏み出し、麻痺側を後から引き上げる、または手すりなどを利用し健側でしっかり支持しながら乗車します。これは安定性確保を優先するためです。正しくは:バスに乗降する際は、健側から足を出すか、安全な方法で行う。選びやすい理由:麻痺側への意識付けという点で迷うかもしれませんが、公共交通機関の利用は安全性が最優先です。混同注意:応用歩行訓練における特定の練習方法と、実際の生活場面での安全確保を混同しやすいです。
国試ポイント
脳卒中片麻痺患者の応用歩行における「麻痺側リード」と「健側リード」の原則を理解しているか、またそれぞれの原則が適用される具体的な場面を判別できるかが問われています。特に、単なる安定性の確保だけでなく、訓練効果を目的とした特定状況での麻痺側リードの重要性がポイントです。
混同注意
階段昇降やスロープ歩行における「健側リード」の原則と、低い障害物越えなど特定の訓練目的で用いられる「麻痺側リード」の使い分けが混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
この問題で問われた知識が不確かだった場合、各応用歩行動作(階段昇降、スロープ、障害物横断、方向転換、起伏のある地面、公共交通機関の利用など)における「健側リード」と「麻痺側リード」の原則、およびそれぞれの目的について詳細に復習する必要があります。特に、なぜそのリード方法が適切なのか、訓練上のメリット・デメリットも理解を深めるべきです。
関連知識
脳卒中片麻痺者の歩行訓練では、安全性を確保しつつ機能改善を目指すことが重要です。そのため、ADL動作に応じた重心移動の方向や支持脚の役割を考慮した指導が必要となります。特に、上り動作(階段、スロープ、エスカレーター)は健側リード、下り動作(階段、スロープ)は麻痺側リードが原則となることが多いですが、訓練目的によっては異なるアプローチも選択されます。障害物横断や方向転換も応用歩行の重要な要素です。