医療機関における患者の個人情報の取扱いで誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
個人情報保護法において、個人情報を取り扱う事業者は、特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱ってはならず、利用目的を変更する際も、変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲内で行わなければなりません。また、変更した場合は本人に通知または公表する義務があります。医療機関の判断のみで、患者の同意なく自由に利用目的を変更することは認められません。
選択肢ごとの解説
- 1. 個人情報保護法に基づき、患者本人には自己の情報の開示を求める権利があります。医療機関は正当な理由がない限り、これに応じる義務があります。正しくは:患者本人には、自己の個人情報について開示を求める権利があり、医療機関はこれに応じる必要がある。選びやすい理由:個人情報の開示は慎重に行われるべきだが、本人への開示は原則として行われるべき義務であるため、誤りとは考えにくい。混同注意:第三者への開示と混同し、開示そのものが制限されると誤解する可能性がある。
- 2. 医療機関には、個人情報の漏洩、滅失、毀損の防止、その他の個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じる義務があります。正しくは:個人情報の安全管理のため、漏洩、滅失、毀損を防止する適切な措置を講じる必要がある。選びやすい理由:情報の保護は医療機関の重要な責務であるため、これが誤りであるとは考えにくい。混同注意:漏洩防止が義務であるという基本的な原則を理解していれば、これが誤りであるとはならない。
- 3. 医療機関は、利用目的の達成に必要な範囲内で、個人データを正確かつ最新の内容に保つよう努めなければなりません。正しくは:個人情報の利用目的の達成に必要な範囲で、正確かつ最新の内容に保つよう努める必要がある。選びやすい理由:情報の正確性と最新性は、医療機関が情報を取り扱う上での基本的な責任であるため、これが誤りであるとは考えにくい。混同注意:個人情報の適切な管理における基本原則であるため、誤りであるとは考えにくい。
- 4. 医療機関は、個人情報を取り扱うに当たって、その利用の目的をできる限り特定し、公表または通知する義務があります。正しくは:個人情報を取り扱うに当たり、その利用目的をできる限り特定し、公表または通知する必要がある。選びやすい理由:利用目的の明確化は、患者への信頼性確保や適切な情報管理のために不可欠であるため、これが誤りであるとは考えにくい。混同注意:利用目的の明確化が義務であるという基本的な原則を理解していれば、これが誤りであるとはならない。
- 5. 正解。個人情報保護法において、個人情報の利用目的を変更する際は、変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲内で行う必要があり、その変更内容を本人に通知または公表する義務があります。医療機関の都合だけで、患者の同意なく自由に利用目的を変更することは認められません。特に、変更後の利用目的が変更前と関連性がなく、本人にとって不利益が大きい場合は、原則として改めて本人の同意を得る必要があります。正しくは:個人情報の利用目的を変更する際は、変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲内で行い、その内容を本人に通知または公表する必要がある。必要に応じて本人の同意を得る。選びやすい理由:医療機関運営上、利用目的を変更したいケースもあるが、それはあくまで法律の範囲内で、かつ患者への説明・同意が前提となる。混同注意:利用目的の変更そのものは可能だが、その手続きや条件(変更前の目的との関連性、本人への通知・公表、必要に応じた同意)が厳格に定められていることと混同しやすい。
国試ポイント
医療機関における患者の個人情報保護法に関する基本原則と、特に利用目的の変更に関する適切な手続きについて理解しているかを問う問題です。基本的な義務と、自由に判断できない事項を区別できるかがポイントです。
混同注意
利用目的の変更そのものが全くできないと誤解することと、手続きを踏めば可能であるという区別。また、患者本人への開示請求権や漏洩防止などの基本的な義務と、本人の同意が必要な事項との区別。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、特に利用目的の変更、第三者提供、本人からの開示・訂正・利用停止請求に関する具体的な手続きや例外規定について深く問われる可能性があります。また、匿名加工情報や仮名加工情報といった新しい制度に関する知識も確認しておきましょう。
関連知識
個人情報保護法、医療機関の個人情報保護ガイドライン、患者の権利、インフォームドコンセント、個人情報の適切な管理方法。