多職種で構成される病院内のカンファレンスに出席する際に、先輩から「この会議は、チームビルディングは成熟していて活発な議論がなされるが、コンフリクトマネジメントに課題がある」と助言を受けた。このカンファレンスにおける対応として最も優先すべきなのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
問題文の指摘は「意見の対立が起きた際の対応に問題がある」という点であるため、このカンファレンスに初めて参加するにあたっては、この課題に直接的に対応する姿勢を示すことが最も重要です。多職種連携においては、意見の相違は避けられないものであり、それを建設的に解決するためのスキルが求められます。細心の注意を払って対処することで、チームの機能不全を防ぎ、より良い医療の実践に繋がります。
選択肢ごとの解説
- 1. 「自身の考えを積極的に発言する」ことは重要ですが、問題文が指摘する「意見の対立が起きた際の対応」という課題には直接対応していません。活発な意見交換が行われているとあるため、発言自体が不足しているわけではないと読み取れます。正しくは:意見対立が起きた際に、自身の考えを建設的に述べ、解決策を提示する。選びやすい理由:積極的な参加は良いことであると一般的に考えられ、チームへの貢献意欲を示す行動として選びやすい。混同注意:単なる意見表明と、意見対立時における建設的な問題解決のための発言。
- 2. 「他の参加者と親睦を深めるよう努める」ことは円滑な人間関係を築く上で大切ですが、問題文の「意見の対立が起きた際の対応に問題がある」という核心的な課題に対しては間接的な対応に過ぎず、最も重視すべき対応とは言えません。正しくは:親睦を深めるだけでなく、意見対立時に建設的な解決策を共に探す関係性を構築する。選びやすい理由:チームの協力関係を深めるための一般的な良い行動と認識されやすいため。混同注意:チームの協力関係を深める手段と、具体的な問題解決への直接的なアプローチ。
- 3. 正解。問題文で「意見の対立が起きた際の対応に問題がある」と明言されているため、「意見が食い違った際に、細心の注意を払って対処する」ことは、まさにその問題点に直接的に対応する最も適切な行動です。建設的な対立解決はチーム医療の質向上に不可欠です。選びやすい理由:問題の核心を突いており、選択肢の言葉遣いも慎重で専門的であるため。混同注意:意見対立を避けることと、意見対立に適切に対処すること。
- 4. 「他者の発言に耳を傾けることを最優先とする」ことは、コミュニケーションの基本であり重要ですが、問題文の課題は「意見対立時の対応」であり、単に耳を傾けるだけでは解決しません。活発な意見交換が行われているとあるため、傾聴が不足しているわけではないと読み取れます。正しくは:他者の発言を傾聴し、意見対立が生じた際には、その背景を理解し、建設的な対話を通じて解決策を模索する。選びやすい理由:傾聴は良好なコミュニケーションの基本であり、新しく参加する者がとるべき謙虚な姿勢として魅力的であるため。混同注意:一般的な良好なコミュニケーション態度と、具体的な問題解決のための行動。
- 5. 「他者の意見に反論せず、議論を進めることを心がける」という対応は、意見対立を避ける姿勢であり、問題解決にはつながりません。表面的な平和を保つだけでは、本質的な課題は未解決のまま残り、かえってチームの機能不全を招く可能性があります。正しくは:他者の意見に耳を傾けつつ、建設的な反論や疑問を提示し、合意形成に向けて議論を深める。選びやすい理由:会議を円滑に進めるという意図から、対立を避けることが良いと誤解されやすいため。混同注意:意見対立を避けることと、建設的に意見対立を解決すること。
国試ポイント
医療現場における多職種連携の重要性と、その中での意見対立への適切な対処法。特に、チーム医療におけるコミュニケーションスキルと問題解決能力が問われる。
混同注意
単なる意見表明や傾聴と、意見対立時の具体的な介入・調整の違い。活発な議論は重要だが、対立を放置または回避するだけではチームは機能しない。
次に同じ論点が出たら
多職種カンファレンスの問題点や目標が示されている場合、その問題点に最も直接的に対応する選択肢が正答となる。特に、人間関係や意見対立に関する記述に注目する。
関連知識
多職種連携におけるISBARC(Introduction, Situation, Background, Assessment, Recommendation, Clarification)などの効果的なコミュニケーションフレームワーク。チームの発展段階(タックマンモデルなど)と各段階で求められるリーダーシップやメンバーの役割。