陽性尤度比の説明で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
陽性尤度比(Positive Likelihood Ratio, LR+)は、感度を偽陽性率(1-特異度)で割った値であり、検査で陽性となった人がどれだけ疾患を持つ確率を高めるかを示す指標です。この値が大きいほど、その検査が陽性であった場合に疾患が存在する可能性が高いと判断され、臨床的に有用性が高いとされます。
選択肢ごとの解説
- 1. 陽性尤度比と検査的中率(陽性反応的中度や陰性反応的中度)は異なる指標です。陽性尤度比は事後確率を事前確率から導くためのもので、検査的中率は検査結果が陽性/陰性であった場合に実際に疾患がある/ない確率を示します。正しくは:検査的中率は、検査で陽性だった場合に実際に疾患を持つ確率(陽性反応的中度)や、検査で陰性だった場合に実際に疾患がない確率(陰性反応的中度)のことである。選びやすい理由:検査の診断能力に関する指標である点で共通しているため、混同しやすい。混同注意:陽性反応的中度(PPV)や陰性反応的中度(NPV)と混同しやすい。
- 2. 陽性尤度比と陰性尤度比はそれぞれ独立した検査の有用性を示す指標であり、合計しても1にはなりません。正しくは:陽性尤度比と陰性尤度比はそれぞれ検査の異なる側面を評価するものであり、合計しても1にはならない。選びやすい理由:確率の合計が1になるという一般的な概念と混同しやすい。混同注意:感度と特異度の和が1になる場合がある(しかしこれは尤度比とは異なる)。
- 3. 正解。陽性尤度比(LR+)は、疾患を持つ人が検査で陽性となる確率(感度)を、疾患を持たない人が検査で陽性となる確率(偽陽性率 = 1 - 特異度)で割った値として定義されます。これは検査の陽性結果が疾患の存在をどれくらい確からしくするかを示します。選びやすい理由:他の検査指標の計算式と混同しやすいが、この定義が正しい。混同注意:陰性尤度比の計算式や、感度・特異度そのものと混同しやすい。
- 4. 陽性尤度比は、値が大きいほど検査が陽性であった場合に疾患が存在する可能性が高まるため、臨床導入の妥当性が高いと判断されます。一般的に10以上で非常に有用、5〜10で有用とされます。正しくは:陽性尤度比は、値が大きいほど臨床診断への導入の妥当性が高いと評価される。選びやすい理由:陰性尤度比は小さいほど有用であるため、混同しやすい。混同注意:陰性尤度比の解釈と混同しやすい。また、P値のような「小さい方が良い」という指標と誤解しやすい。
- 5. 疾患を持つ人のうち検査で陽性となる比率は「感度」の定義です。陽性尤度比は感度を偽陽性率(1 - 特異度)で割ったものであり、感度そのものではありません。正しくは:疾患を持つ人のうち検査で陽性となる比率は「感度」のことである。陽性尤度比は、疾患を持つ人が検査で陽性となる確率を、疾患を持たない人が検査で陽性となる確率で割ったものである。選びやすい理由:感度も検査の診断能力を示す重要な指標であるため、混同しやすい。混同注意:感度(sensitivity)と混同しやすい。
国試ポイント
理学療法士国家試験において、診断学的研究やエビデンスに基づいた医療(EBM)の知識として、感度、特異度、陽性反応的中度、陰性反応的中度といった基本的な検査指標に加えて、尤度比の定義や解釈が問われることがあります。特に計算式や、その値が示す臨床的意味合いを正確に理解しているかが重要です。
混同注意
感度、特異度、陽性反応的中度、陰性反応的中度、陰性尤度比といった他の診断学的指標との定義や計算式の混同。特に陽性尤度比と陰性尤度比の「大きいほど良い/小さいほど良い」という解釈の違い。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、陽性尤度比の解釈(例えば、値が10以上で疾患確率が90%以上、5で70%程度など)や、陰性尤度比の定義と解釈(小さいほど有用)が問われる可能性がある。また、具体的な臨床シナリオにおける尤度比の適用方法や、他の診断指標との比較検討に関する問題も想定される。
関連知識
感度 = 真陽性数 / (真陽性数 + 偽陰性数)、特異度 = 真陰性数 / (真陰性数 + 偽陽性数)。陰性尤度比 = (1 - 感度) / 特異度。事前確率と事後確率の関係性(オッズ比)。