原発性骨粗鬆症について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
原発性骨粗鬆症は、女性、特に閉経後の女性に多く見られ、骨密度の低下により骨折しやすくなる疾患です。海綿骨は骨代謝が活発な部位であり、骨粗鬆症では海綿骨の減少が顕著です。また、喫煙は骨代謝に悪影響を及ぼし、骨粗鬆症の危険因子であることが知られています。
選択肢ごとの解説
- 1. 原発性骨粗鬆症は、閉経後の女性に多く見られる疾患であり、女性ホルモン(エストロゲン)の欠乏が主要な原因の一つです。男性の骨粗鬆症も存在しますが、頻度は女性よりはるかに低いです。正しくは:女性に多く見られます。選びやすい理由:男性の骨粗鬆症も存在するため、一見正しいように感じられるかもしれませんが、『多く』という限定詞があるため誤りです。混同注意:男性にも骨粗鬆症があるという事実とは混同しやすいです。
- 2. 正解。骨粗鬆症では、骨の吸収が骨形成を上回り、骨全体が脆弱になります。特に代謝回転の活発な海綿骨(椎体、大腿骨近位部など)において、骨梁の菲薄化や消失が進み、骨量が著しく減少します。
- 3. 正解。喫煙は骨芽細胞の機能を抑制し、骨吸収を促進することで骨密度を低下させ、骨粗鬆症のリスクを高めることが多くの研究で示されています。エストロゲンの分解を促進し、閉経を早める作用も指摘されています。
- 4. 骨粗鬆症は骨量減少を特徴とする疾患であり、血中のカルシウム濃度は主に副甲状腺ホルモンや活性型ビタミンDによって厳密に維持されています。骨粗鬆症自体が直接的に低カルシウム血症を引き起こすことは稀で、血清カルシウム値は正常範囲内であることがほとんどです。むしろ、骨吸収が進むことで一時的に血中カルシウム値が上昇することもあります。正しくは:血清カルシウム値は正常範囲内であることがほとんどです。選びやすい理由:骨の主成分がカルシウムであるため、骨が減少すれば血中のカルシウムも減少すると思われがちですが、生体は血中カルシウム濃度を一定に保とうとする恒常性機能が働くため誤りです。混同注意:骨軟化症やくる病など、カルシウム代謝異常が原因で骨症状を呈する疾患と混同しやすいです。
- 5. 原発性骨粗鬆症における骨折の好発部位は、脊椎(圧迫骨折)、大腿骨近位部(頚部・転子部骨折)、橈骨遠位端(コーレス骨折など)です。尺骨単独の骨折は骨粗鬆症の好発部位とは言えません。正しくは:脊椎、大腿骨近位部、橩骨遠位端が骨折の好発部位です。選びやすい理由:上肢の骨であるため、手首の骨折(橈骨遠位端骨折)と混同して選びやすいかもしれませんが、尺骨単独の骨折は一般的ではありません。混同注意:橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)と混同しやすいです。
国試ポイント
原発性骨粗鬆症の疫学、病態、危険因子、および好発部位に関する基本的な知識が問われています。特に、性差、骨の種類(海綿骨、皮質骨)の関与、生活習慣病との関連性を理解しているかが重要です。
混同注意
続発性骨粗鬆症との鑑別、また骨軟化症や骨形成不全症など他の骨疾患との病態の違い。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、原発性骨粗鬆症の好発年齢・性別、骨折好発部位(脊椎、大腿骨近位部、橈骨遠位端)、危険因子(喫煙、過度の飲酒、運動不足、カルシウム・ビタミンD不足)、および症状(自覚症状がないことが多い)に注目して解答します。
関連知識
骨粗鬆症は一次性(原発性)と二次性(続発性)に分類され、一次性はさらに閉経後骨粗鬆症と男性骨粗鬆症に分けられます。骨密度はYAM(Young Adult Mean)値で評価され、骨粗鬆症の診断基準として用いられます。治療には、食事療法、運動療法、薬物療法(ビスホスホネート製剤、SERM、PTH製剤など)があります。