イラストのようにDanielsらの徒手筋力テストを実施した。正しいのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
徒手筋力テストにおいて、抵抗を加える部位は、検査する筋の作用とてこの原理に基づいて決定されます。股関節屈曲の筋力評価では、股関節から最も離れた大腿遠位部に抵抗を加えることで、適切な負荷をかけ、筋力を正確に評価できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 股関節屈筋群のMMTでは、骨盤が後傾すると腹筋群の代償が生じやすくなります。正確な筋力評価のためには、骨盤は中立位かやや前傾位を保つべきです。正しくは:骨盤は可能な限り中立位を保って行うか、必要に応じて固定しながら行う。選びやすい理由:腹筋群の関与を防ぐために骨盤の固定が必要という点から、骨盤を安定させるという意味で後傾を連想する可能性も考えられますが、それは間違いです。混同注意:腹筋群による骨盤の安定化と、股関節屈筋群への腹筋群の代償を混同しやすい。
- 2. イラストは股関節屈曲のMMTを示しており、主な検査対象筋は腸腰筋(大腰筋、腸骨筋)や大腿直筋です。縫工筋は股関節屈曲に加えて外転・外旋作用も持ちますが、単独の股関節屈曲テストでは主たる評価対象ではありません。正しくは:この検査で評価される主な筋肉は腸腰筋である。選びやすい理由:縫工筋も股関節屈筋の一つであるため、一見すると正しいように見えます。混同注意:股関節屈筋群全体の構成と、特定の動作における主動作筋を混同しやすい。
- 3. 股関節屈筋群の段階2(重力除去位)のテストは、通常、側臥位で下肢全体を支持しながら、または坐位で支持しながら行います。背臥位では、股関節屈曲の動きは重力に抗する運動となり、段階3以上のテストポジションとなります。正しくは:対象筋の段階2のテストは側臥位または坐位で、下肢を支持しながら行う。選びやすい理由:背臥位が多くの筋の重力除去位であると誤解しやすいですが、股関節屈筋群においては異なります。混同注意:他の関節の重力除去位と股関節屈曲の重力除去位を混同しやすい。特に、膝関節屈曲などは背臥位で重力除去位になるため。
- 4. 正解。股関節屈筋群のMMTで抵抗を加える際は、テコの原理を最大限に利用し、対象筋への負荷を適切に与えるために、股関節から最も遠い大腿の遠位部(膝関節直上など)に抵抗を加えるのが原則です。正しくは:正しい選択肢のため修正は不要です。選びやすい理由:特になし。MMTの基本原則として理解しておくべき事項です。混同注意:抵抗を加える部位の選択理由(テコの原理)を理解していないと誤解する可能性がある。
- 5. 大腿筋膜張筋は、股関節屈曲・外転・内旋の作用を持ちます。そのため、股関節屈曲時に外転・内旋を伴う場合は大腿筋膜張筋の代償が疑われますが、外旋を伴う場合は縫工筋などの代償が疑われます。正しくは:股関節外転内旋を伴った際は大腿筋膜張筋の代償を疑う。選びやすい理由:大腿筋膜張筋も股関節屈筋の一部であるため、代償として連想しやすいですが、その作用は外転・内旋であり、外旋ではありません。混同注意:大腿筋膜張筋の作用(屈曲・外転・内旋)と縫工筋の作用(屈曲・外転・外旋)を混同しやすい。
国試ポイント
徒手筋力テスト(MMT)に関する基本的な知識、特に検査のポジショニング、抵抗部位、代償動作、および各筋の作用について正確に理解しているかが問われる問題です。イラスト問題形式で具体的な手技が問われることが多い。
混同注意
各選択肢がMMTの異なる側面(ポジショニング、主動筋、重力除去位、抵抗部位、代償)を問うため、MMT全体の理解度が試されます。特に、代償動作とそれに伴う筋の作用の混同、および重力除去位の正しい設定が誤答を誘発しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の関節(肩、膝、足関節など)の主要筋に関するMMTの正しい手技(ポジショニング、抵抗部位、代償動作)が問われる可能性があります。また、MMTの各段階(G0-G5)の具体的な評価基準も重要です。
関連知識
徒手筋力テスト(MMT)の各段階の基準、MMTを実施する際の原則(ポジショニング、固定、抵抗の方向と部位、代償動作の観察)、主要な筋の作用とそれに伴う代償動作、重力の影響。