錐体路徴候はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
錐体路は随意運動を司る上位運動ニューロンの主要な経路です。この経路が障害されると、深部腱反射の亢進、バビンスキー反射などの病的反射の出現、そして腹壁反射などの表在反射の消失が見られます。腹壁反射は皮膚刺激により腹筋が収縮する反射であり、上位運動ニューロンからの抑制が解除されることで消失します。
選択肢ごとの解説
- 1. 錐体路障害では、深部腱反射は亢進することが一般的です。反射弓の抑制が解除されるためと考えられます。正しくは:膝蓋腱反射の亢進選びやすい理由:反射の異常は錐体路障害に関連するため、反射低下も選択肢として考えてしまうかもしれません。混同注意:下位運動ニューロン障害による反射低下と混同しやすいです。
- 2. 深部感覚(位置覚や振動覚など)の伝導路は主に後索・内側毛帯路であり、錐体路とは異なる経路です。錐体路は運動機能に関与します。正しくは:深部感覚は錐体路障害とは直接関連しません。感覚障害は脊髄後索、脳幹、視床、感覚野の損傷で生じます。選びやすい理由:神経系の障害全般で感覚障害も起こりうるという漠然とした知識から、選択肢として選びたくなるかもしれません。混同注意:感覚障害と運動障害を混同したり、脊髄の異なる部位の損傷と混同しやすいです。
- 3. 正解。腹壁反射は表在反射の一つであり、上位運動ニューロン(錐体路)の障害によって消失することが典型的な徴候です。錐体路からの抑制が解除される深部腱反射の亢進とは対照的です。正しくは:この選択肢は正しいです。選びやすい理由:表在反射と深部腱反射の反応の違いを理解していないと、他の選択肢と迷う可能性があります。混同注意:深部腱反射の亢進と対照的な反応を示すため、その違いを理解していないと混乱しやすいです。
- 4. 錐体路障害、特に上位運動ニューロン障害では、弛緩性麻痺の急性期を除き、通常は筋緊張の亢進(痙縮)が見られます。正しくは:筋緊張の亢進(痙縮)選びやすい理由:麻痺=筋力低下というイメージから、筋緊張も低下すると誤解することがあります。混同注意:下位運動ニューロン障害による筋緊張低下(弛緩性麻痺)と混同しやすいです。錐体路障害の急性期(脊髄ショック期など)に一時的に筋緊張低下が見られることもありますが、慢性期には亢進します。
- 5. ジストニアは不随意運動の一種で、通常は錐体外路系(特に基底核)の障害によって引き起こされます。錐体路障害の直接的な徴候ではありません。正しくは:ジストニアは錐体外路系障害の徴候です。選びやすい理由:不随意運動も神経系疾患でよく見られるため、錐体路障害とも関連があると考えてしまうかもしれません。混同注意:パーキンソン病などの錐体外路系疾患でみられる不随意運動と混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、錐体路(上位運動ニューロン)障害の主要な徴候に関する基本的な知識を問うものです。特に、深部腱反射の亢進と表在反射の消失という、異なる反射の反応を正確に区別できるかがポイントです。
混同注意
上位運動ニューロン障害と下位運動ニューロン障害の症状(筋緊張、反射、筋萎縮など)の違い、錐体路系と錐体外路系の症状の違い。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、錐体路障害の徴候を複数の中から選ばせる問題や、下位運動ニューロン障害、錐体外路障害の症状との比較問題が出される可能性があります。また、具体的な反射名とその反応(亢進/低下/消失/出現)を問う問題も考えられます。
関連知識
錐体路障害の他の徴候には、深部腱反射の亢進、病的反射(バビンスキー反射、ホフマン反射など)、クローヌス、痙縮、筋力低下などがあります。下位運動ニューロン障害では、弛緩性麻痺、筋緊張低下、深部腱反射の低下または消失、筋萎縮などが見られます。錐体外路系障害では、振戦、固縮、運動緩慢、ジストニア、アテトーシス、舞踏病運動などの不随意運動が特徴です。