14歳の女子。運動器学校検診で側弯が指摘され、整形外科を受診。画像検査で胸椎カーブ35度の思春期特発性側弯症と診断された。画像(別冊No. 2)を別に示す。医師より装具療法の適応が示された。この症例に対する装具療法の選択で最も適切なのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
思春期特発性側弯症において、Cobb角が20〜40度の場合に装具療法が適応されます。本症例の胸椎カーブ35度はこの範囲に該当します。ボストンブレースは、体幹に密着して胸腰仙椎を固定・矯正する硬性装具であり、思春期特発性側弯症の一般的な治療に広く用いられる最も適切な選択肢です。ミルウォーキーブレースも側弯症の装具療法に用いられますが、頸部まで固定する構造のため、主に高位胸椎側弯やより重度の側弯、またはボストンブレースが不適応な場合に選択される傾向があります。他の選択肢は側弯症の装具療法としては不適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. ジュエット装具は、主に胸腰椎圧迫骨折の治療に用いられる三点固定式の装具です。側弯症の矯正には適していません。正しくは:この症例には、側弯症の進行抑制と矯正を目的とした装具が必要です。選びやすい理由:装具の一つであるため、知識の曖昧な受験者が選択する可能性があります。混同注意:他の一般的な脊椎装具と混同しやすいです。それぞれ適応疾患が異なります。
- 2. SOMIブレース(Sternal Occipital Mandibular Immobilizer)は、主に上位頸椎の固定に用いられる装具です。思春期特発性側弯症の胸椎カーブ35度に対する治療には適応されません。正しくは:SOMIブレースは頸椎の不安定性や骨折などに用いられます。側弯症には効果がありません。選びやすい理由:脊椎装具の一つとして知られているため、知識が不確かな場合に選ばれる可能性があります。混同注意:他の頸椎装具(例:フィラデルフィアカラー)や脊柱全体の装具と混同しやすいです。
- 3. 軟性の胸腰仙椎装具は、主に腰痛の軽減や姿勢保持を目的として使用されますが、思春期特発性側弯症のような進行性の側弯に対する矯正力や進行抑制効果は期待できません。カーブが35度の場合、より強固な固定と矯正力を持つ装具が必要です。正しくは:側弯症の治療には、一般的に硬性の装具が選択され、強い矯正力を持つ必要があります。選びやすい理由:「装具療法」と聞くと、まず軟性装具を思い浮かべる受験生もいるかもしれません。また、幅広い範囲をカバーする名称から適応があるように感じる可能性もあります。混同注意:コルセットなどの一般的な腰部装具と混同しやすいですが、側弯症治療には硬性装具が原則です。
- 4. 正解。ボストンブレースは、思春期特発性側弯症の装具療法の標準的な選択肢であり、特に胸腰椎カーブや胸椎カーブが20〜40度の症例に広く適用されます。この患者の胸椎カーブ35度という診断は、ボストンブレースの最も適切な適応範囲内です。体幹に密着し、三点固定の原理で矯正を行います。選びやすい理由:側弯症の治療装具にはミルウォーキーブレースも有名ですが、ボストンブレースの方がより一般的で患者の受容性が高いことが多く、現代では第一選択となることが多いです。
- 5. ミルウォーキーブレースも側弯症の治療に用いられますが、主に高位胸椎側弯や頸部を含む広範囲の側弯、またはボストンブレースで効果が得られない場合に選択されます。近年では、ボストンブレースがより一般的であり、この症例(胸椎カーブ35度)であればまずボストンブレースが第一選択となることが多いです。正しくは:胸椎カーブ35度であれば、まずボストンブレースが選択されることが一般的です。選びやすい理由:側弯症の治療装具として非常に有名であるため、正答と誤解しやすいです。しかし、適応部位や優先順位がボストンブレースと異なります。混同注意:ボストンブレースとミルウォーキーブレースはどちらも側弯症治療装具ですが、適応部位(高位胸椎か否か)や患者の受容性(装着感)において違いがあります。近年ではボストンブレースが主流です。
国試ポイント
思春期特発性側弯症の装具療法の適応と、代表的な装具の種類(特にボストンブレースとミルウォーキーブレース)の違いを理解しているかどうかが問われる問題です。Cobb角の目安や装具の特徴を正確に把握しておく必要があります。
混同注意
ボストンブレースとミルウォーキーブレースの適応の違い。脊椎疾患に使用される他の装具(例:ジュエット装具、SOMIブレース、軟性コルセット)との区別。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、側弯症のタイプ(先天性、神経原性など)、Cobb角の具体的な数値とそれに合わせた装具選択(または手術の選択)、各装具の具体的な構造や装着時の注意点などが問われる可能性があります。
関連知識
思春期特発性側弯症の診断基準(Cobb角の測定)、進行リスク因子、装具療法の目的(進行抑制、矯正)、手術療法の適応基準、各装具の構造と固定範囲。