全身持久力トレーニングの効果で減少するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
全身持久力トレーニングを継続すると、呼吸効率が向上し、同じ運動強度(サブ最大運動強度)であれば、より少ない換気量で運動を継続できるようになります。これは、呼吸筋の持久力向上や、全身の酸素利用効率の改善によるものです。
選択肢ごとの解説
- 1. 全身持久力トレーニングは、心臓のポンプ機能を高め、一回拍出量および最大心拍出量を増加させます。これにより、より多くの酸素を全身に供給できるようになります。正しくは:増加する。選びやすい理由:運動能力が向上することで、心拍数が減少するように思えるかもしれませんが、最大心拍出量は運動能力の指標として増加します。混同注意:安静時心拍数や運動時の心拍数の減少と混同しやすいです。安静時心拍数は減少しますが、最大心拍出量は増加します。
- 2. 全身持久力トレーニングにより、活動筋への酸素供給を効率化するため、筋内の毛細血管密度が増加します。正しくは:増加する。選びやすい理由:変化がないと考えるかもしれませんが、酸素供給能力を高める適応が起こります。混同注意:他の適応(例えば筋肥大)と混同し、血管数が増えるという直接的なイメージが湧きにくいかもしれません。
- 3. 全身持久力トレーニングは、有酸素運動能力を向上させ、乳酸が急激に蓄積し始める運動強度(嫌気性代謝閾値)を高めます。これにより、より高い運動強度でも有酸素的に活動を継続できるようになります。正しくは:増加する。選びやすい理由:トレーニングによって乳酸の生成が抑制されるため、閾値が減少すると思われるかもしれませんが、乳酸が蓄積しにくくなるため閾値は高まります。混同注意:乳酸性閾値や乳酸除去能力の向上と混同しやすいです。閾値は高まり、より高い運動強度で運動できるようになります。
- 4. 全身持久力トレーニングにより、活動筋での酸素利用効率が向上するため、動脈血と静脈血の酸素含有量の差(動静脈酸素較差)は増加します。これは、筋肉がより多くの酸素を血液から抽出できるようになったことを示します。正しくは:増加する。選びやすい理由:酸素利用効率の向上と聞くと、差が減少するように思えるかもしれませんが、実際に組織が取り込む酸素量が増えるため、差は大きくなります。混同注意:酸素摂取量そのものの変化や、酸素運搬能力と混同しやすいです。組織での酸素利用促進が差の拡大につながります。
- 5. 正解。全身持久力トレーニングにより、呼吸筋の効率が向上し、また全身の酸素利用能力が高まるため、同じ運動強度(サブ最大運動強度)であれば、より少ない換気量で必要な酸素を取り込み、二酸化炭素を排出できるようになります。選びやすい理由:運動能力が向上すると、呼吸器系も強化されるため、換気量も増えると思いがちですが、これは最大運動時の話であり、同じ運動強度では効率が向上し換気量は減少します。混同注意:最大運動時の換気量(これは増加する)と、サブ最大運動強度での換気量とを混同しやすいです。
国試ポイント
全身持久力トレーニングによって生じる生理学的適応を理解しているか、特に最大運動時とサブ最大運動時での変化の違いを区別できるかが問われています。
混同注意
最大運動時の反応とサブ最大運動時の反応が混同されやすいです。例えば、最大換気量は増加しますが、同じ運動強度での換気量は減少します。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の問題が出た際には、特定の運動強度(最大運動強度かサブ最大運動強度か)が明記されているかどうかに注意し、それぞれの状況下での身体の適応変化を正確に判断することが重要です。
関連知識
全身持久力トレーニングの効果としては、安静時心拍数・運動時心拍数の減少、一回拍出量の増加、最大酸素摂取量の増加、ミトコンドリア数・サイズの増加、酸化酵素活性の増加、糖・脂肪代謝能の改善などが挙げられます。これらは総合的に運動効率を高めます。