栄養管理について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
発熱は基礎代謝率を上昇させるため、エネルギー消費量が増加します。体温が1℃上昇するごとに、エネルギー必要量は約13%増加するとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 成人のタンパク質推奨量は、活動レベルによっても異なりますが、一般的には体重1kgあたり0.8〜1.2g程度です。0.1gは非常に少ない値であり、これではタンパク質が不足します。正しくは:成人では、毎日体重1kgあたり0.8g以上のタンパク質を摂取するのがよい。選びやすい理由:タンパク質の摂取量が重要であるという認識から、数字の記憶が曖昧な場合に選んでしまう可能性があります。混同注意:グラム単位と桁数を混同しやすい。例えば、1g/kgと間違えるなど。
- 2. BMI 22.5は標準体重の目安であり、これ未満だからといって直ちに栄養障害と判断されるわけではありません。栄養障害の評価には、体重減少率、血清アルブミン値、食事摂取量など、BMI以外の複数の指標を総合的に考慮する必要があります。正しくは:BMIが18.5未満の場合、低体重と判定する。栄養障害の判定には、BMI以外にも複数の指標を総合的に評価する。選びやすい理由:BMIが栄養状態を評価する指標の一つであるため、数字に引っ張られて選んでしまう可能性があります。混同注意:BMIの正常範囲(18.5~25未満)や、低体重の基準(18.5未満)と混同しやすい。また、BMIのみで栄養障害の有無を判断できない点。
- 3. 低栄養状態、特にタンパク質・エネルギー欠乏の場合、免疫機能が低下し、それに伴い血中の総リンパ球数は減少するのが一般的です。リンパ球は免疫応答に重要な役割を果たしており、栄養状態が悪化するとその産生が抑制されます。正しくは:低栄養になると血中総リンパ球数が減少する。選びやすい理由:栄養状態と免疫機能の関連は理解していても、その方向性を誤解している場合に選んでしまう可能性があります。混同注意:感染症などでリンパ球が増加する場合と、栄養状態による免疫抑制を混同しやすい。
- 4. 正解。発熱は基礎代謝を亢進させ、体の活動レベルも高まるため、エネルギー必要量が増加します。体温が1℃上昇するごとに、基礎代謝が約13%増加すると言われています。正しくは:正しいため修正不要選びやすい理由:体調不良時のエネルギー消費の増大は一般的な知識であり、直感的に理解しやすい選択肢です。混同注意:特になし。ただし、具体的な上昇率などの詳細を知らないと自信を持って選べない可能性はあります。
- 5. 重度の熱傷は、広範囲の組織損傷と炎症反応を引き起こし、タンパク質異化の亢進をもたらします。これにより、体内のタンパク質分解が促進され、その結果として尿中への窒素(主に尿素窒素)排泄量が増加します。窒素出納は負の状態になります。正しくは:重度熱傷では、尿中窒素排泄量が増加する。選びやすい理由:重症患者の栄養状態が低下するという知識から、漠然と排出量が減少するのではないかと誤解する可能性があります。混同注意:栄養状態悪化による窒素摂取量の減少と、異化亢進による窒素排泄量の増加を混同しやすい。
国試ポイント
栄養管理に関する基本的な生理学的知識や臨床的評価指標について問われています。特に、病態時の代謝変化や、栄養状態の評価指標に関する正確な知識が求められます。各疾患や状態がどのように栄養必要量や代謝に影響するかを理解しているかが重要です。
混同注意
各選択肢が示す指標(BMI、タンパク質摂取量、リンパ球数、窒素排泄量)の正常値や変動方向、疾患との関連性を混同しやすい。特に、増加と減少の方向性、そしてその理由を正しく理解しているかが重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、各疾患や病態(例:手術後、感染症、がん、腎不全など)におけるエネルギー・タンパク質の必要量変化、およびその評価指標(例:血清アルブミン、CRP、プレアルブミン、トランスフェリンなど)について確認すると良いでしょう。また、具体的な栄養障害の診断基準についても理解を深める必要があります。
関連知識
・成人のタンパク質必要量(日本人の食事摂取基準) ・BMIの分類と評価 ・低栄養時の免疫機能(リンパ球減少) ・病態(発熱、熱傷など)時の代謝亢進と栄養必要量の変化 ・窒素出納の概念と臨床的意義