自律神経の二重支配を受けるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
多くの内臓は交感神経と副交感神経による二重支配を受け、これらの神経が互いに拮抗的に作用することで機能が調整されます。膵臓は消化液の分泌や血糖を調節するホルモン(インスリン、グルカゴンなど)の分泌において、交感神経と副交感神経の両方から支配を受け、その機能は複雑に調節されています。一方、汗腺、立毛筋、副腎髄質は主に交感神経のみの支配であり、脾臓も副交感神経の明確な支配は限定的とされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 汗腺は基本的に交感神経のみによって支配されており、副交感神経による二重支配は受けません。特に、この交感神経線維はアセチルコリンを分泌する特殊なコリン作動性神経線維であることが特徴です。正しくは:汗腺は、交感神経のみ(しかもコリン作動性)の支配を受けます。選びやすい理由:体温調節に重要な役割を果たすため、複雑な自律神経支配、特に二重支配があると考えやすいですが、実際は交感神経のみの支配です。混同注意:副交感神経の神経伝達物質であるアセチルコリンが分泌されるため、副交感神経の支配と混同しやすいですが、これは交感神経系の特殊な線維によるものです。
- 2. 正解。膵臓は、交感神経と副交感神経の両方から支配を受けます。副交感神経(迷走神経)は膵液分泌やインスリン分泌を促進し、交感神経はこれらを抑制する傾向があり、血糖調節や消化機能において二つの神経が協調して作用します。
- 3. 脾臓は主に交感神経の支配を受け、貯蔵血液の放出や免疫細胞の移動に関与しますが、副交感神経からの明確な二重支配は一般的ではないとされています。正しくは:脾臓は、主に交感神経の支配を受け、二重支配ではありません。選びやすい理由:血液や免疫機能に関わる重要な臓器であるため、多様な神経支配、特に二重支配があると考えてしまいやすいです。混同注意:他の消化器系臓器が二重支配を受けるため、リンパ器官である脾臓も同様に二重支配を受けると誤解することがあります。
- 4. 立毛筋は、寒冷や恐怖刺激によって毛を逆立てる筋肉であり、交感神経のみによって支配されます。副交感神経による支配はありません。正しくは:立毛筋は、交感神経のみの支配を受けます。選びやすい理由:汗腺と同様に皮膚の付属器であり、体温調節に関わるため、二重支配を受けると誤解する可能性があります。自律神経による反射的な動きであるため、複雑な支配があると想像しやすいです。混同注意:汗腺の支配様式と混同しやすいですが、いずれも交感神経のみの支配です。
- 5. 副腎髄質は、自律神経の支配を受けますが、これは節前交感神経線維が直接副腎髄質細胞に投射する特殊な形態です。副交感神経からの支配は受けません。機能的には交感神経系の一部として、ホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン)を分泌します。正しくは:副腎髄質は、節前交感神経からの直接支配を受け、副交感神経の支配はありません。選びやすい理由:体のストレス反応において非常に重要な役割を担うため、詳細な調節のために二重支配を受けていると推測されやすいです。また、神経系と内分泌系の密接な連携から、誤解を招きやすい選択肢です。混同注意:他の多くの内分泌腺が二重支配を受けること、または血管の自律神経支配様式と混同しやすいです。
国試ポイント
自律神経系の支配について、各臓器が交感神経と副交感神経のどちらから、どのような形で支配を受けているかを理解しているか。特に、二重支配の原則から外れる例外(汗腺、立毛筋、副腎髄質など)を正確に識別できるかが問われます。
混同注意
自律神経支配の原則として二重支配があるため、すべての臓器が二重支配を受けると誤解しがちです。特に、機能的に重要そうな臓器や、体温調節などに関わる臓器は二重支配だと誤認しやすい傾向があります。
次に同じ論点が出たら
自律神経の支配について問われた場合、まず一般的な二重支配の原則を想起し、その上で個々の臓器が例外的な支配様式(例:汗腺の交感神経性コリン作動性支配、副腎髄質の節前交感神経直接支配、血管の交感神経支配が主など)を取るかどうかを考慮する。また、両神経が拮抗作用を持つかどうかも判断の重要なポイントとなります。
関連知識
自律神経系の解剖と生理学、特に交感神経系と副交感神経系の作用、それぞれの神経伝達物質と受容体の種類と分布、内臓反射の経路。二重支配を受ける臓器の代表例(心臓、消化管、膀胱など)と、単一支配の臓器の代表例(血管、汗腺、立毛筋、副腎髄質など)。