深部腱反射について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
深部腱反射(伸張反射)は、筋肉が急激に伸張された際に筋紡錘がそれを感知し、Ia群求心性線維を通じて脊髄へと感覚情報を伝達します。脊髄では、この感覚ニューロンがα運動ニューロンと直接シナプスを形成し、そのα運動ニューロンを興奮させます。興奮したα運動ニューロンは、伸張された筋肉(錘外筋線維)へと運動指令を送り、筋肉を収縮させることで反射性の伸張を防ぎます。したがって、運動出力はα運動ニューロンを介するという記述が正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. 深部腱反射(伸張反射)の感覚入力は、筋紡錘からのIa群求心性線維によって伝達されます。III群求心性線維は主に侵害受容や温度覚を伝達します。正しくは:感覚情報はIa群の求心性神経線維を通じて伝達される。選びやすい理由:神経線維の種類とその機能が複雑であり、特定の反射経路に関与する神経線維を誤認しやすい。混同注意:Ia群(筋紡錘)、Ib群(ゴルジ腱器官)、II群(筋紡錘二次終末)、III群(侵害受容器、圧覚)、IV群(侵害受容器)の各求心性線維が伝達する情報。
- 2. 正解。深部腱反射において、感覚ニューロンから直接、または単シナプスを介して興奮を伝えられたα運動ニューロンが、錘外筋線維を収縮させる運動指令を出力します。これが反射の最終的な効果器経路です。
- 3. 深部腱反射の受容器は筋紡錘であり、これは錘内筋線維から構成されます。錘外筋線維はα運動ニューロンからの指令によって収縮する、反射の効果器です。正しくは:受容器として働くのは筋紡錘(錘内筋線維)である。選びやすい理由:「筋線維」という言葉から、具体的な受容器を区別せずに選択してしまう可能性がある。混同注意:筋紡錘(錘内筋線維、受容器)と、通常の骨格筋を構成する錘外筋線維(効果器)の役割。
- 4. 深部腱反射の閾値は、上位中枢からの抑制性または促進性の入力や、介在ニューロンの活動などによって変動します。例えば、Jendrassik手技によって反射は亢進します。正しくは:反射が誘発される閾値は中枢神経系の影響により変動する。選びやすい理由:反射は自律的な反応であるため、その閾値も不変であると誤解しやすい。混同注意:反射の不随意性と、その反応性の中枢による調節可能性。
- 5. 一般的に、高齢者では加齢に伴う神経機能の低下により、深部腱反射は減弱または消失する傾向があります。亢進する場合は、何らかの神経学的異常が示唆されることがあります。正しくは:高齢者では反射活動が減弱または消失する傾向がある。選びやすい理由:高齢者にみられる疾患で反射亢進があるケースと混同したり、加齢による生理的な変化を誤解したりしやすい。混同注意:生理的な加齢変化としての反射減弱・消失と、上位運動ニューロン障害などによる病的反射亢進。
国試ポイント
この問題は、深部腱反射(伸張反射)の基本的な神経路と構成要素、および生理学的特性について理解しているかを問うています。特に、感覚入力線維の種類、受容器の種類、効果器への出力経路、反射閾値の変動性、生理的加齢による変化といった、各段階の正確な知識が求められます。
混同注意
筋紡錘(受容器、錘内筋線維)と錘外筋線維(効果器)。Ia群、Ib群、II群、III群、IV群といった求心性神経線維の種類と、それぞれが伝達する情報。反射の不随意性と、その閾値が中枢神経系によって調節される可能性。生理的な反射の変化(例:加齢による減弱)と、病的な反射の変化(例:上位運動ニューロン障害による亢進)。
次に同じ論点が出たら
次に深部腱反射に関する問題が出た場合は、以下の点に注目して解答を判断しましょう。1. 反射の種類: 伸張反射(深部腱反射)か、ゴルジ腱反射か、屈曲反射かなど、どの反射について問われているか。2. 神経路の構成要素: 受容器(筋紡錘、ゴルジ腱器官など)、求心路(Ia群、Ib群など)、中枢(脊髄、脳幹など)、遠心路(α運動ニューロン、γ運動ニューロンなど)、効果器(錘外筋、錘内筋など)が正確に記述されているか。3. 反射の生理的特徴: 単シナプス/多シナプス、上位中枢からの調節の有無、閾値の変動性、左右差、加齢や病態による変化など。
関連知識
伸張反射: 筋が急速に伸張されると、同名筋が収縮し、拮抗筋が弛緩する単シナプス反射。ゴルジ腱反射: 筋が過度に収縮すると、同名筋が弛緩し、拮抗筋が収縮する多シナプス反射。Ib抑制。γ運動ニューロン: 筋紡錘の錘内筋線維を支配し、筋紡錘の感度を調節する。Jendrassik手技: 上位中枢からの抑制を解除または促進することで、深部腱反射を増強させる。上位運動ニューロン障害: 腱反射亢進、病的反射出現、痙性麻痺などを引き起こす。下位運動ニューロン障害: 腱反射減弱・消失、筋萎縮、弛緩性麻痺などを引き起こす。