関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の運動方向と測定肢位の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
股関節の外転は、他の関節の動きや筋の緊張の影響を最小限に抑えるため、股関節を伸展位または中間位に保って測定するのが標準的な方法です。これにより、正確な外転可動域を評価できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 肩関節屈曲の測定肢位では、前腕は通常、中間位または回内位で実施されます。回外位は尺骨と橈骨が交叉しないため、尺骨が固定され、橈骨が尺骨の周りを回旋する際に尺骨側に固定され、肩の動きを妨げる可能性があります。正しくは:肩屈曲の測定では、前腕は中間位(または回内位)で行う。選びやすい理由:前腕の肢位が肩関節の可動域に影響を与えることを知っている学生は、何らかの理由で回外位が適切だと誤解する可能性があります。混同注意:肩関節の回旋運動と前腕の回内外運動の関係性、または肩関節の様々な運動における適切な前腕の肢位。
- 2. 股関節内旋の測定では、膝関節は通常、90度屈曲位で行われます。これは、下腿を指標として使用することで、より正確に股関節の回旋角度を測定できるためです。膝関節が伸展位だと、足関節や膝関節の動きが測定に影響を与えやすくなります。正しくは:股内旋の測定では、膝関節は90度屈曲位で行う。選びやすい理由:股関節と膝関節の連動性があるため、伸展位で測定することも一見すると可能に見えるためです。混同注意:股関節の屈曲・伸展、外転・内転といった他の運動の測定肢位や、膝関節伸展位で測定する股関節の他の動き(例:股関節屈曲)と混同する可能性があります。
- 3. 正解。股関節の外転は、股関節が伸展位(または中間位)の状態で測定するのが標準的な方法です。これにより、股関節屈曲に伴う腸腰筋などの緊張による影響を排除し、純粋な外転可動域を測定できます。選びやすい理由:特になし。正しい選択肢であるため。混同注意:特になし。正しい選択肢であるため。
- 4. 膝関節屈曲の測定では、股関節は通常、屈曲位で行われます。特に、腹臥位で膝関節を屈曲させる場合、股関節は伸展位になりますが、背臥位で股関節を屈曲させて膝関節を屈曲させる方法が一般的です。股関節伸展位では大腿直筋が伸張され、膝関節の屈曲が制限される可能性があります。正しくは:膝屈曲の測定では、股関節は屈曲位で行う(あるいは、膝屈曲測定には複数の肢位があり、股関節伸展位で行う場合は大腿直筋の影響を考慮する)。選びやすい理由:大腿直筋の機能を知っている学生は、伸展位が適切でないことに気づくかもしれませんが、膝関節屈曲測定の一般的な基準肢位を正確に覚えていないと迷う可能性があります。混同注意:ハムストリングスの柔軟性や、股関節の屈曲・伸展が膝関節の動きに与える影響、あるいは特定の筋肉の影響を避けるための特殊な測定肢位と混同する可能性があります。
- 5. 足関節の底屈測定では、腓腹筋の緊張を考慮するため、膝関節は軽度屈曲位で行われることが多いです。膝関節が伸展位だと、腓腹筋が過度に伸張され、足関節の底屈可動域が制限される可能性があります。正しくは:足底屈の測定では、膝関節は軽度屈曲位で行う。選びやすい理由:アキレス腱のストレッチなどでは膝伸展位で行われるため、可動域測定も同じだと誤解しやすいです。混同注意:腓腹筋とヒラメ筋の違いや、両者の足関節運動への影響、また背屈測定と底屈測定での膝関節の肢位の違いと混同する可能性があります。
国試ポイント
関節可動域測定法に関する知識は、国家試験で非常に頻繁に出題されます。特に、各関節の代表的な運動方向における標準的な測定肢位を問う問題が中心です。筋肉の長さと関節可動域の関係、特定の筋の緊張が測定値に与える影響を理解しているかが重要になります。
混同注意
各関節の測定肢位は多岐にわたるため、異なる関節や同じ関節の異なる運動方向の測定肢位と混同しやすいです。また、筋肉の緊張を考慮するか否かで肢位が変わる場合があるため、その判断も混乱の原因となります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、まず『二関節筋の影響』を最優先で確認すること。次に、測定時に『代償運動が起こりやすい関節や動き』を抑制するための肢位であるかを確認すること。最後に、『標準的な測定方法として広く認知されている肢位』であるかを確認すること。
関連知識
各関節の主要な筋肉(主動筋、拮抗筋、共同筋)、二関節筋の機能、測定に影響を与える筋の走行と作用、関節の安定化、ゴニオメーターの適切な当て方、正常可動域の値。