持久力トレーニングの効果として正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
持久力トレーニングの継続は、心臓の効率を高め、一回拍出量を増加させます。これにより、同じ循環量を維持するために必要な心拍数が減少し、結果として安静時心拍数が低下します。これは、心臓への負担を軽減し、心血管系の健康を促進する適応反応です。
選択肢ごとの解説
- 1. 持久力トレーニングを継続すると、呼吸効率が向上するため、安静時の呼吸数は減少傾向を示します。呼吸がより深くなり、一回換気量が増加するため、少ない呼吸数で効率的に酸素を取り込めるようになります。正しくは:安静時の呼吸数は減少する。選びやすい理由:運動中は呼吸数が増えるため、トレーニング全体として増加すると誤解しやすい。混同注意:運動時の呼吸応答と安静時の生体変化を混同しやすい。
- 2. 持久力トレーニングは心臓のポンプ機能を高め、心室の拡張能力や収縮力を向上させます。これにより、一回の拍動で送り出せる血液量(一回拍出量)は増加します。正しくは:一回拍出量が増加する。選びやすい理由:心拍数が減少するため、一回拍出量も減少すると考えがち。混同注意:心拍数と一回拍出量の関係性を誤解しやすい。総心拍出量(心拍数×一回拍出量)を維持・向上させるためには、心拍数減少時の一回拍出量増加が重要となる。
- 3. 正解。持久力トレーニングは、心臓のポンプ効率を向上させ、一回拍出量を増加させます。これにより、同じ量の血液を全身に送るために必要な心拍数が減少し、安静時の心拍数が低下します(徐脈化)。これは心臓の適応反応の一つです。選びやすい理由:直感的に「運動=心拍数増加」と思われがちだが、これは安静時の話である点に注意。混同注意:運動中の心拍数上昇反応と、トレーニングによる安静時心拍数の変化を混同しやすい。
- 4. 持久力トレーニングは、血管内皮機能の改善や血管の拡張能力を高める効果があります。これにより、末梢血管抵抗は減少傾向を示し、血圧の低下にも寄与します。正しくは:末梢血管抵抗は減少する。選びやすい理由:筋肉量増加などで血管が圧迫されると考える可能性。混同注意:動脈硬化などの病態による血管抵抗増加と、生理的な適応反応を混同しやすい。
- 5. 最大酸素摂取量(VO2max)は、全身の酸素運搬・利用能力の指標であり、持久力トレーニングによって顕著に向上します。これはトレーニング効果を評価する重要な指標の一つです。正しくは:最大酸素摂取量が増加する。選びやすい理由:オーバーワークなどで一時的にパフォーマンスが落ちる可能性を考慮してしまいがち。混同注意:疲労や疾患による一時的なパフォーマンス低下と、トレーニングによる長期的な生理学的適応を混同しやすい。
国試ポイント
持久力トレーニングが身体に与える生理学的適応に関する基本的な知識が問われています。特に、心拍数、一回拍出量、呼吸数、最大酸素摂取量などの主要な指標が、トレーニングによってどのように変化するかを正確に理解しているかがポイントです。
混同注意
運動中の急性的な生体反応(例:心拍数増加)と、トレーニングによる長期的な安静時の生体適応(例:安静時心拍数減少)を混同しやすい点が狙われがちです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、心臓だけでなく、呼吸器系、代謝系、筋骨格系における持久力トレーニングの効果についても詳細に問われる可能性があります。特に、ミトコンドリアの増加、毛細血管密度の増加、糖・脂質代謝の変化なども注目すべき点です。
関連知識
心拍数、一回拍出量、心拍出量、最大酸素摂取量(VO2max)、動静脈酸素較差、呼吸商、無酸素性作業閾値(AT/LT)、運動誘発性徐脈、心肥大(生理学的肥大)