6歳の男児。右股関節痛を訴えている。単純エックス線写真(別冊No. 1)を別に示す。 疑うべき疾患はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
6歳の男児の右股関節単純X線写真では、大腿骨頭骨端核の扁平化、骨硬化、骨融解像を認めます。これは大腿骨頭への血流障害により壊死が生じ、その後に修復過程として吸収と骨形成が起こるPerthes病に典型的な所見です。症例の年齢と症状も合致します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。6歳男児の右股関節痛という病歴と、単純X線写真における右大腿骨頭骨端核の扁平化、骨硬化、骨融解像はPerthes病に典型的な所見であるため、正しい。選びやすい理由:年齢と症状、画像所見が一致するため、判断しやすい。混同注意:単純性股関節炎は一過性でX線所見は通常認められない。大腿骨頭すべり症は思春期に多い。
- 2. 大腿骨頭壊死症は、Perthes病と異なり、成人期に発症し、ステロイド投与やアルコール摂取などの明確な原因があることが多い。小児期の特発性壊死を指すPerthes病とは鑑別される。画像所見も骨頭全体の構造変化がより明確なことが多い。正しくは:Perthes病。選びやすい理由:大腿骨頭の壊死という点で共通するが、発症年齢や誘因が異なるため誤り。混同注意:Perthes病は小児の特発性大腿骨頭壊死症であり、広義の大腿骨頭壊死症に含まれるが、成人型とは鑑別される。
- 3. 大腿骨頭すべり症は思春期(10〜16歳)の肥満男児に多く、大腿骨頭骨端が骨幹端に対して後下方へすべり落ちる病態である。本症例の6歳という年齢とは異なる。正しくは:Perthes病。選びやすい理由:股関節痛や跛行を来す点で共通するが、年齢と画像所見(すべり)が異なるため誤り。混同注意:Perthes病と大腿骨頭すべり症は、ともに小児期の股関節疾患だが、好発年齢とX線所見が異なる。
- 4. 単純性股関節炎は、小児の股関節痛の原因として最も頻度が高いが、通常はウイルス感染後に発症し、一過性であり、単純X線写真では異常所見を認めない。本症例では明らかなX線所見があるため誤り。正しくは:Perthes病。選びやすい理由:小児の股関節痛という症状が共通するため、診断を迷うが、X線所見の有無で鑑別できる。混同注意:Perthes病初期には単純性股関節炎と誤診されることがあるが、X線やMRIなどの画像検査で鑑別可能。
- 5. 発育性股関節形成不全は、乳幼児期に診断されることが多く、股関節の亜脱臼や脱臼を特徴とする。X線写真では臼蓋形成不全や大腿骨頭の偏位が認められる。本症例の6歳という年齢やX線所見とは異なる。正しくは:Perthes病。選びやすい理由:小児の股関節疾患である点で共通するが、発症年齢と画像所見が大きく異なるため誤り。混同注意:発育性股関節形成不全は乳幼児期にスクリーニングされるべき疾患であり、6歳で初発する疾患ではない。
国試ポイント
小児の股関節疾患における年齢ごとの好発疾患とX線所見を理解すること。
混同注意
大腿骨頭壊死症(成人・ステロイドなど原因)、大腿骨頭すべり症(思春期・肥満)、単純性股関節炎(一過性・X線所見なし)、発育性股関節形成不全(乳幼児期・亜脱臼や脱臼)など、年齢やX線所見で鑑別する。
次に同じ論点が出たら
同様の症例が出題された場合、まず年齢を確認し、次に単純X線写真における大腿骨頭骨端核の形状、骨密度、関節裂隙の変化に注目して診断する。
関連知識
Perthes病は4〜10歳の男児に好発する特発性大腿骨頭壊死症。症状は股関節痛や跛行。治療は安静、免荷、装具療法、重症例では手術療法が考慮される。