側方突進が出現する可能性が最も高い病変部位はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
延髄外側部症候群(ワレンベルグ症候群)は、椎骨動脈や後下小脳動脈の閉塞により延髄外側部が障害されることで発症します。この症候群では、下小脳脚や前庭神経核の障害が含まれるため、同側の小脳失調、体幹失調、めまい、眼振などの症状が出現します。特に、前庭系の障害は平衡感覚に影響を与え、歩行時に病変側への転倒傾向や側方突進として現れることが典型的です。
選択肢ごとの解説
- 1. 小脳虫部の損傷では体幹失調や酩酊様歩行、起立不能などが主な症状で、側方突進は直接的な特徴ではありません。正しくは:小脳虫部の障害は体幹失調や歩行失調(特に酩酊様歩行)と関連が深いです。選びやすい理由:小脳の機能障害は歩行障害を引き起こすため、側方突進と混同しやすいかもしれません。混同注意:小脳半球病変による片側性運動失調と混同することがあります。虫部は体幹失調に関わります。
- 2. 黒質緻密部の変性はパーキンソン病の原因であり、歩行障害としては小刻み歩行、すくみ足、姿勢反射障害などが特徴ですが、側方突進は典型的ではありません。正しくは:黒質緻密部の障害は運動緩慢、固縮、振戦、姿勢反射障害(突進現象)などパーキンソン病の主要症状に関連します。選びやすい理由:パーキンソン病による姿勢反射障害や突進現象を、側方への突進と誤解する可能性があります。混同注意:前方に突進する姿勢反射障害と、側方への突進現象を混同しやすいです。
- 3. 視床内側部の病変は、感覚障害や意識障害、記憶障害、失語症など様々な症状を引き起こしますが、直接的な歩行時の側方突進の主要な原因とは考えにくいです。正しくは:視床の病変は感覚障害、運動障害(不随意運動)、意識障害、記憶障害、感情障害など多岐にわたります。選びやすい理由:脳深部の損傷が広範囲な症状を引き起こすため、歩行障害も含まれると考えるかもしれませんが、特定の特徴的な症状ではありません。混同注意:視床の広範な機能から、特定の歩行障害を予測することが難しいです。
- 4. 正解。延髄外側部症候群(ワレンベルグ症候群)では、下小脳脚や前庭神経核の障害により、同側の体幹失調や小脳性運動失調、めまい、眼振が生じ、歩行時に病変側への側方突進(転倒傾向)が特徴的に見られます。
- 5. 内包後脚部には錐体路が走行しているため、この部位の病変は対側の片麻痺(運動麻痺)を引き起こし、痙性歩行やハサミ脚歩行などが見られますが、側方突進は主要な症状ではありません。正しくは:内包後脚部の障害は対側の上肢・下肢・顔面の麻痺(片麻痺)を引き起こし、痙性歩行などを呈します。選びやすい理由:錐体路障害による歩行異常は重度であるため、側方突進も起こると誤解する可能性があります。混同注意:運動麻痺による歩行障害と、小脳性失調による歩行障害を混同しやすいです。
国試ポイント
脳幹の各部位の病変とそれによって引き起こされる特徴的な症状、特に歩行障害や平衡感覚障害との関連を問う問題です。ワレンベルグ症候群の主要な症状を理解しているかが鍵となります。
混同注意
小脳虫部損傷による体幹失調や酩酊様歩行、あるいはパーキンソン病の姿勢反射障害(前方への突進)などと混同しやすいです。側方突進という具体的な表現から、前庭系や小脳系の障害を特定する必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合は、まず「側方突進」というキーワードから前庭神経核や下小脳脚の関与を考え、それに該当する脳幹の部位を特定します。他の選択肢についても、それぞれの部位の主要な機能を思い出し、提示された症状と合致するかを検討します。
関連知識
ワレンベルグ症候群の他の症状(嚥下障害、構音障害、ホルネル症候群、温痛覚障害など)、小脳の各部位の機能と障害、錐体路障害による歩行パターン。