集中治療室での急性期リハビリテーションに関して正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
スクイージングは、呼気に合わせて徒手的に胸郭を圧迫することで、努力的な呼気を介助し、貯留した痰を効果的に排出させることを目的とした呼吸理学療法の手技である。これにより、肺コンプライアンスの改善やガス交換能の向上が期待できる。
選択肢ごとの解説
- 1. ICUにおける急性期リハビリテーションでは、患者の状態に応じて早期から歩行訓練を含む活動を段階的に導入することが推奨されている。安全を確保した上で、早期離床は廃用症候群の予防に極めて重要である。正しくは:安全を確保した上で、全身状態が許せば早期から歩行訓練を含む積極的なリハビリテーションを実施する。選びやすい理由:ICUという環境から、患者の状態が不安定であるため、安全を最優先して活動を制限するという考えになりやすい。混同注意:活動制限の必要性と早期離床の重要性とのバランス。
- 2. 正解。スクイージングは、患者の呼気時に術者が胸郭を下部から上部に向かって圧迫することで、呼気の力を強め、痰の排出を促す手技である。選びやすい理由:スクイージングの正しい手技を知らないと、呼気時か吸気時か、圧迫の方向が曖昧になりやすいため。混同注意:スクイージングの具体的な実施時期(呼気時)と他の呼吸介助手技。
- 3. ICUの急性期においても、患者の呼吸状態が許せば早期から頭部挙上(セミファーラー位など)を導入することは、誤嚥性肺炎の予防、呼吸仕事量の軽減、褥瘡予防などの観点から重要である。全身状態が安定してからでは遅すぎる場合がある。正しくは:頭部を挙上する姿勢は、全身状態をモニタリングしながら早期から導入を検討する。選びやすい理由:頭部挙上による血圧変動や体位変換の負担を考慮し、全身状態が完全に安定するまで待つべきだと判断しがち。混同注意:安静保持の必要性と早期離床・ポジショニングの重要性。
- 4. 総腓骨神経麻痺は下腿外側部の腓骨頭周囲の圧迫によって生じやすく、足関節底屈・内反位や、腓骨頭部への持続的な圧迫が原因となる。踵部の除圧は、主に仙骨部や踵部の褥瘡予防に重要であり、総腓骨神経麻痺の予防とは直接関連しない。正しくは:総腓骨神経麻痺を防ぐためには、腓骨頭部への圧迫を避けるポジショニングを徹底することが肝要である。選びやすい理由:褥瘡予防の観点から踵部の除圧が重要であることは知っているため、他の末梢神経麻痺予防と混同しやすい。混同注意:踵部の褥瘡予防と腓骨神経麻痺予防のメカニズムと部位の違い。
- 5. 体位排痰法は、重力の作用を利用して痰を排出しやすくする目的で行われるため、痰が貯留している肺区域を『上』にして、気管支から中心に向かって痰が流れ落ちるように体位をとるのが適切である。下にすると痰の排出が阻害される。正しくは:体位排痰法を行う際は、痰が貯留している肺区域を『上に向けた』体位を維持する。選びやすい理由:痰が溜まっている部分を下にして、叩打するなどのイメージと混同したり、一般的なドレナージの考え方(液体の排出)と混同しやすい。混同注意:体位ドレナージの具体的な体位選択の方向性と、叩打や振動などの他の排痰手技。
国試ポイント
集中治療室(ICU)における急性期リハビリテーションの適応、禁忌、具体的な手技、および注意点に関する知識が問われている。特に呼吸理学療法や廃用症候群予防の観点からのアプローチが重要である。
混同注意
スクイージングと他の呼吸介助手技(例: ハフィング、カフアシスト)や、痰の排出を促す体位ドレナージの体位選択との混同に注意が必要である。
次に同じ論点が出たら
ICUでの急性期リハビリテーションの各手技の目的と適切な実施時期・方法、および合併症予防の具体的な対策について正しく理解しているかを確認する。
関連知識
ICUにおける早期リハビリテーションの重要性(廃用症候群予防、ICU-AW予防)、呼吸理学療法の種類(体位排痰法、徒手介助排痰法、吸気運動)、人工呼吸器装着患者へのリハビリテーション、末梢神経麻痺予防のためのポジショニング。