検査用紙を図に示す。1から25までの数字を1から順にできるだけ速く線を引いてつなぐのに要する時間を測定する検査はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
Trail Making Test (TMT) は、Part AとPart Bの2つの部分から構成されます。Part Aは、1から25までの数字を順に線で結ぶ課題であり、視覚探索、運動速度、持続性注意、情報処理速度などを評価します。設問の記述はTMT-Aの検査内容と完全に一致します。
選択肢ごとの解説
- 1. BADS(行動性注意機能評価バッテリー)は、遂行機能障害を評価するための複数の下位検査から構成されており、単一の数字連結作業の所要時間を測定するものではありません。正しくは:BADSは実行機能を評価するバッテリーであり、本問のような単一の数字連結課題とは異なります。選びやすい理由:注意機能に関連するため、混同する可能性がありますが、具体的な検査内容が異なります。混同注意:遂行機能や注意機能の評価に関する検査として、他の選択肢と混同されることがあります。
- 2. BIT(行動性無視検査)は、半側空間無視の有無や程度を評価する検査であり、数字を順に連結する速度を測るものではありません。正しくは:BITは半側空間無視の評価に用いられ、本問の検査とは目的が異なります。選びやすい理由:高次脳機能障害の評価に用いられるため、関連があるように思われるかもしれません。混同注意:他の高次脳機能評価バッテリーと名称が類似しているため、混同されることがあります。
- 3. CATは通常、CT (Computed Tomography) の略として画像診断に用いられるか、もしくは認知症高齢者の在宅生活継続支援に関するCognitive Assessment for Triageのような別の評価尺度を指しますが、本問のような数字連結課題ではありません。正しくは:CATは本問の検査とは異なる種類の評価や画像診断を指します。選びやすい理由:略語であるため、特定の認知機能検査と誤解される可能性はありますが、一般的には本問の検査を指しません。混同注意:様々な文脈で用いられる略語であるため、特定の検査と誤解する可能性があります。
- 4. Stroop testは、干渉効果を利用して注意の選択性や情報処理速度を評価する検査であり、色と文字の不一致を処理する課題であり、数字連結作業とは内容が異なります。正しくは:Stroop testは注意の選択性や干渉抑制を評価する検査であり、色と文字の課題を用いる点で異なります。選びやすい理由:注意機能の評価に用いられるため、本問の課題と関連性があるように思われるかもしれません。混同注意:注意力や認知速度を測る他の検査と混同されやすいです。
- 5. 正解。TMT-A(Trail Making Test Part A)は、1から25までの数字を順に線で結ぶ時間を測定することで、視覚探索能力、運動速度、持続性注意、情報処理速度を評価する検査です。提示された検査用紙の課題内容と一致します。正しくは:TMT-Aは、与えられた画像のような数字連結課題を行い、その所要時間から視覚探索能力や注意能力などを評価する検査です。選びやすい理由:他の選択肢も注意や遂行機能に関連するため、TMT-Aの具体的な内容を知らないと選べない可能性があります。混同注意:TMT-B(数字と文字を交互に連結する課題)との違いが明確でないと、両者が混同されることがあります。本問はTMT-Aの特徴を述べています。
国試ポイント
高次脳機能障害の評価に用いられる各種検査(特に注意機能、遂行機能)の具体的な内容と目的を正確に理解しておくことが重要です。TMT-AとTMT-Bの違い、Stroop testやBADSの評価項目などを区別できるよう学習する必要があります。
混同注意
BADS、BIT、Stroop testなど、他の高次脳機能評価バッテリーや検査も注意機能や遂行機能に関連するため、具体的な検査内容を把握していないと混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
TMT-AとTMT-Bの臨床的解釈の違いや、それぞれの検査が評価する具体的な認知機能について理解を深めることが求められます。
関連知識
TMT-Bは、1から13までの数字と、あからんうまで文字を交互に線で結ぶ課題で、注意の転換や干渉抑制、遂行機能全般を評価します。TMT-AとTMT-Bの時間差(B-A)も臨床的に利用され、遂行機能障害の指標となります。