副交感神経の作用で抑制されるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
副交感神経は、心臓の洞房結節からの電気刺激発生頻度を低下させ、さらに心房から心室への興奮伝導を行う房室結節の機能を抑制します。これにより心拍数が減少し、房室伝導速度も遅くなります。他の選択肢は、副交感神経により促進される作用、あるいは収縮する作用を示しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 副交感神経(特に迷走神経)は、消化管の活動全体を促進する作用があり、膵臓からの膵液分泌も活発にします。正しくは:膵液分泌は促進されます。選びやすい理由:消化器系の作用なので副交感神経と関連があることは推測できますが、抑制か促進かの判断を誤りやすいです。混同注意:交感神経による消化管活動の抑制作用と混同しやすいです。
- 2. 副交感神経は気管支の平滑筋を収縮させ、気道の内腔を狭める作用があります。これは気管支喘息の発作時などにみられる反応です。正しくは:気管支筋は収縮します。選びやすい理由:呼吸器系の作用なので副交感神経と関連があることはわかりますが、収縮か弛緩かの判断を誤りやすいです。混同注意:交感神経のβ2受容体刺激による気管支弛緩作用と混同しやすいです。
- 3. 正解。副交感神経(迷走神経)は心臓の活動を抑制する働きがあり、心拍数を減少させるとともに、心房から心室への電気信号の伝達速度(房室伝導速度)を遅くします。
- 4. 副交感神経は消化管の蠕動運動や緊張を促進するため、直腸平滑筋の収縮も促進し、排便を促す働きがあります。正しくは:直腸平滑筋は収縮します。選びやすい理由:消化器系の作用なので副交感神経と関連があることは推測できますが、抑制か促進かの判断を誤りやすいです。混同注意:交感神経による消化管運動の抑制作用と混同しやすいです。
- 5. 副交感神経は膵臓からのインスリン分泌を促進します。インスリンは、肝臓や筋肉においてブドウ糖からグリコーゲンを合成する作用を促進するため、間接的にグリコーゲン合成を促進します。正しくは:グリコーゲン合成は促進されます。選びやすい理由:代謝系の作用であり、直接的な作用ではないため、判断に迷う可能性があります。混同注意:交感神経によるグリコーゲン分解促進作用(血糖上昇作用)と混同しやすいです。
国試ポイント
自律神経(特に副交感神経)が、各臓器の機能にどのような影響を与えるか、その作用が「促進」なのか「抑制」なのかを正確に理解しているかが問われる問題です。特に心臓への作用は頻出です。
混同注意
交感神経と副交感神経の作用の区別が最も重要です。また、同じ臓器に対する作用であっても、促進と抑制、収縮と弛緩など、具体的な効果の方向性を混同しないことが求められます。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、主要な臓器(心臓、消化器、呼吸器、眼、膀胱など)に対する交感神経と副交感神経の作用(促進/抑制、収縮/弛緩)を、それぞれ対比させながら整理して覚えているかを確認してください。特に心臓と消化器系の作用は誤りやすいポイントです。
関連知識
副交感神経の主な作用は、消化・吸収、排泄、休息、生殖などに関わり、「安静と回復」を促します。具体的には、瞳孔収縮、涙液・唾液分泌促進、心拍数・心収縮力・房室伝導速度の抑制、気管支収縮、消化管運動・分泌の促進、膀胱収縮、陰茎勃起などが挙げられます。交感神経は「活動と緊張」を促します。