四肢切断後の幻肢痛への対応で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
幻肢痛に対する治療法は多岐にわたりますが、非薬物療法としてミラーセラピーは特に有名で効果的です。また、患者の訴えを正確に把握するために、痛みの部位をイラストで表現してもらう方法は評価上非常に重要です。神経障害性疼痛にはプレガバリンなどの神経修飾薬が有効であり、TENSも疼痛管理に利用されます。義肢装着は一般的に幻肢痛を軽減する効果が期待されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ミラーセラピーは、幻肢が存在するかのように鏡に映し出すことで、脳の再編成を促し、幻肢痛の軽減に効果があると広く認知されています。
- 2. 経皮的電気刺激法(TENS)は、幻肢痛を含む慢性疼痛管理において有効な治療法の一つであり、禁忌ではありません。正しくは:経皮的電気刺激法(TENS)は幻肢痛の緩和に用いられることがあります。選びやすい理由:電気刺激は痛みを増強させる可能性があるという誤解から、禁忌と捉えやすいかもしれません。混同注意:急性期の外傷や特定の疾患における電気刺激の禁忌と混同する可能性があります。
- 3. 義肢の装着訓練は、残存肢への刺激や活動、そして脳への感覚入力により、幻肢痛を軽減する効果が報告されています。装着時に一時的な不快感が生じる可能性はありますが、一般的に増悪させるものではありません。正しくは:義肢の装着訓練は幻肢痛の軽減に寄与する可能性があります。選びやすい理由:義肢が合わない場合や装着初期の不快感が、幻肢痛の増悪と誤解されることがあります。混同注意:義肢による断端部の機械的刺激や、装着時の心理的ストレスが幻肢痛を悪化させるという誤解と混同しやすいです。
- 4. 正解。幻肢痛の評価において、患者自身が痛みの部位や性質を具体的に表現することは非常に重要です。イラスト化することで、痛みの局在や広がり、種類などを客観的に把握し、適切な治療計画を立てる上で役立ちます。これは、患者の主観的な情報を引き出す有効な方法です。
- 5. 幻肢痛は神経障害性疼痛の要素が強いため、NSAIDsは効果が限定的である場合が多く、プレガバリンなどの神経障害性疼痛に特化した薬剤が優先されることが一般的です。正しくは:鎮痛薬として、幻肢痛のような神経障害性疼痛にはプレガバリンがNSAIDsより優先されることが多いです。選びやすい理由:NSAIDsは一般的な痛み止めとして広く知られており、まず第一に選択肢として考えやすいです。混同注意:通常の炎症性疼痛に対するNSAIDsの有効性と、神経障害性疼痛への適用を混同しやすいです。
国試ポイント
幻肢痛の基本的な治療法と評価方法に関する知識が問われています。特に、非薬物療法の代表例(ミラーセラピー)と、神経障害性疼痛に対する薬物選択の原則、患者の訴えを客観的に把握する評価方法について理解しているかが重要です。
混同注意
幻肢痛が「心理的なもの」と誤解され、治療が限定的であると考えること。また、一般的な疼痛管理の知識と神経障害性疼痛特有の治療法を混同すること。
次に同じ論点が出たら
今後、幻肢痛に関する問題が出題された場合、薬物療法(特に神経障害性疼痛薬の種類と効果)や、他の非薬物療法(例:バーチャルリアリティ、残存肢への感覚刺激)について問われる可能性があります。また、幻肢痛と幻肢感覚の違いや、心理的側面へのアプローチも重要視されるでしょう。
関連知識
幻肢痛の発生機序(脳の可塑的変化、体性感覚皮質の再編成など)、神経障害性疼痛の薬物療法(三環系抗うつ薬、抗てんかん薬など)、非薬物療法(運動療法、リハビリテーション、認知行動療法、温熱療法など)。