痙直型脳性麻痺児の陽性徴候はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
痙直型脳性麻痺における『陽性徴候』とは、脳の損傷により上位運動ニューロンから運動制御がうまく行われなくなり、新たに異常な運動パターンや反射が出現するものです。一方、『陰性徴候』は、脳の損傷によって機能が失われることで生じます。共同運動は、不随意に複数の関節が同時に動いてしまう運動パターンであり、上位運動ニューロン障害によって出現する異常な運動として陽性徴候に分類されます。筋力低下、運動麻痺、巧緻運動障害などは、随意的な運動能力の低下や消失を示すため、陰性徴候です。
選択肢ごとの解説
- 1. 運動麻痺は、脳の損傷によって本来持っている機能が損なわれる『陰性徴候』に分類されます。随意的な筋活動の低下や消失を指します。正しくは:運動麻痺は陰性徴候です。陽性徴候は、病的反射や不随意運動などを指します。選びやすい理由:脳性麻痺の主要な症状であるため、重要な徴候であることは間違いないですが、「陽性徴候」という分類には当たりません。混同注意:陽性徴候と陰性徴候の区別。
- 2. 感覚障害は脳性麻痺に合併することがありますが、『陽性徴候』や『陰性徴候』といった運動機能の分類からは外れます。感覚機能の低下や異常はまた別の分類で評価されます。正しくは:感覚障害は陽性徴候や陰性徴候という運動機能の分類とは異なります。選びやすい理由:脳性麻痺に併発する障害の一つであるため、一見正しいように見えますが、陽性徴候の定義には当てはまりません。混同注意:脳性麻痺の症状全体と、陽性徴候・陰性徴候の分類。
- 3. 正解。共同運動は、脳の損傷、特に上位運動ニューロンの障害によって、特定の目的の運動を行う際に意図しない他の筋群が同時に収縮してしまう異常な運動パターンを指します。これは、本来の機能に加えて異常な動きが現れるため、『陽性徴候』に分類されます。
- 4. 筋力低下は、随意的な筋力を十分に発揮できない状態であり、脳の損傷によって運動機能が損なわれた結果として現れる『陰性徴候』に分類されます。正しくは:筋力低下は陰性徴候です。陽性徴候は、過剰な筋緊張や異常な反射などを指します。選びやすい理由:運動麻痺と同様に、脳性麻痺の重要な要素であるため、正しい選択肢のように感じやすいですが、陽性徴候の定義とは異なります。混同注意:陽性徴候と陰性徴候の区別。
- 5. 巧緻運動障害は、指の細かい動きなど、精密な運動をスムーズに行う能力が損なわれる状態です。これも脳の損傷によって機能が失われる『陰性徴候』の一部と考えられます。正しくは:巧緻運動障害は陰性徴候です。陽性徴候は、不随意運動や痙縮などを指します。選びやすい理由:脳性麻痺児が苦手とする動作であるため、症状の一つとして選びやすいですが、これも陰性徴候の範疇です。混同注意:陽性徴候と陰性徴候の区別。
国試ポイント
この問題は、脳性麻痺、特に痙直型脳性麻痺において、症状が『陽性徴候』と『陰性徴候』のどちらに分類されるかを正確に理解しているかを問うています。それぞれの概念の定義と代表的な具体例を区別できるかがポイントです。
混同注意
陽性徴候と陰性徴候の定義とその具体的な症状の区別が混同されやすい点です。特に、痙縮や病的反射が陽性徴候である一方、筋力低下や麻痺、巧緻運動障害が陰性徴候であるという認識が重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、痙直型脳性麻痺だけでなく、他の脳性麻痺の病型(アテトーゼ型、失調型など)における特徴的な陽性徴候や陰性徴候についても、具体的な例と合わせて区別できるかを確認してください。また、脳卒中後の運動麻痺など、他の上位運動ニューロン障害における陽性・陰性徴候の例も比較検討すると良いでしょう。
関連知識
陽性徴候には、共同運動の他に、痙縮(筋の過緊張)、クローヌス、バビンスキー反射などの病的反射、不随意運動(アテトーシスなど)があります。陰性徴候には、運動麻痺、筋力低下、巧緻運動障害、選択的運動障害、姿勢制御障害などがあります。脳性麻痺の病型によって、出現しやすい徴候が異なります。