親しい人間関係を構築できず、奇異な考え方や風変わりな行動が継続してみられ、パーソナリティ障害を指摘された。最も考えられるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
統合失調型パーソナリティ障害は、対人関係において不快感を感じ、親密な関係を築く能力が著しく低く、また認知や知覚の歪み、思考や行動の奇妙さが特徴です。設問の「親しい人間関係を構築できず、奇異な考え方や風変わりな行動が継続してみられ」という記述は、この障害の典型的な症状に合致します。
選択肢ごとの解説
- 1. 演技性パーソナリティ障害は、過度な感情表現や注目を浴びようとする行動が特徴であり、設問の「奇異な考え方や風変わりな行動」とは異なります。正しくは:注目を浴びたがり、感情が芝居がかったり、人間関係が表面的だったりする場合に考えられます。選びやすい理由:「奇異な行動」という言葉が、一見派手な演技性パーソナリティ障害と結びつきやすいかもしれませんが、奇妙な思考や人間関係の困難さとは異なります。混同注意:統合失調型のような奇妙さとは異なる、社交性や自己表現に関わる逸脱行動と混同しやすいです。
- 2. 依存性パーソナリティ障害は、他者に世話をされることを過度に求め、一人で意思決定ができないのが特徴であり、設問の「奇異な考え方や風変わりな行動」とは関係が薄いです。正しくは:自分一人では行動できず、常に他者に頼り、世話をされることに強く固執する場合に考えられます。選びやすい理由:「親しい人間関係を構築できない」という部分を、依存的な行動の結果と誤解する可能性がありますが、依存症は他者への過度な執着を伴い、関係構築の困難さとは性質が異なります。混同注意:孤立や関係構築の困難さと、他者への過度な依存を混同しやすいです。
- 3. 正解。統合失調型パーソナリティ障害は、親しい人間関係を築く能力の欠如、認知や知覚の歪み、風変わりな思考や行動が特徴であり、設問の「親しい人間関係を構築できず、奇異な考え方や風変わりな行動が継続してみられ」という記述に最も合致します。統合失調症と類似した症状を示しますが、精神病水準には至らない状態です。正しくは:該当するため修正不要。選びやすい理由:該当するため特になし。混同注意:統合失調症やシゾイドパーソナリティ障害と混同しやすいですが、それぞれ診断基準が異なります。
- 4. 妄想性パーソナリティ障害は、他者を信用せず、常に猜疑心が強く、悪意があると解釈するパターンが特徴です。設問の「奇異な考え方や風変わりな行動」は直接的な特徴ではありません。正しくは:他者の動機を悪意あるものと常に疑い、不信感や猜疑心が強い場合に考えられます。選びやすい理由:「親しい人間関係を構築できない」という点で、猜疑心から人間関係が築けないと連想するかもしれませんが、「奇異な考え方や風変わりな行動」は主な症状ではありません。混同注意:統合失調型パーソナリティ障害の思考の奇妙さと、妄想性パーソナリティ障害の猜疑心を混同しやすいです。
- 5. 統合失調質パーソナリティ障害は、社会的な交流への関心が乏しく、感情表現が限定的で、孤独を好むのが特徴です。確かに人間関係の構築は困難ですが、設問にあるような「奇異な考え方や風変わりな行動」は主な特徴ではありません。正しくは:他者との交流に無関心で、感情の表出が少なく、孤独を好む場合に考えられます。選びやすい理由:「親しい人間関係を構築できない」という点は一致しますが、「奇異な考え方や風変わりな行動」は統合失調質パーソナリティ障害の核となる症状ではないため、注意が必要です。混同注意:統合失調型パーソナリティ障害との区別がつきにくく、思考の奇妙さの有無が重要な鑑別点となります。
国試ポイント
パーソナリティ障害の各類型の診断基準、特に中核となる症状と特徴を正確に理解しているかが問われます。特に統合失調型、統合失調質、妄想性パーソナリティ障害は症状が類似しており、鑑別が重要です。
混同注意
統合失調型パーソナリティ障害と統合失調質パーソナリティ障害は、ともに人間関係の困難さを伴いますが、統合失調型は認知の歪みや行動の奇妙さが特徴であるのに対し、統合失調質は社会的な交流への関心の欠如が主たる特徴です。また、妄想性パーソナリティ障害との鑑別も必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、パーソナリティ障害の典型的な症状を列挙し、そこから最も合致する診断名を選択させる形式が考えられます。特に類似する診断名(例:統合失調型と統合失調質)の鑑別点が重要になります。各障害の「中心的な症状」を明確に把握できているかを確認します。
関連知識
DSM-5におけるパーソナリティ障害の分類(A群:奇妙で風変わりなパーソナリティ障害、B群:感情的で移り気なパーソナリティ障害、C群:不安や恐怖に基づいたパーソナリティ障害)。それぞれの障害の中核症状と鑑別点を把握することが重要です。