成人の心肺停止に対する1分間あたりの胸骨圧迫の回数で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
成人の心肺蘇生における胸骨圧迫の適切な回数は、最新の蘇生ガイドライン(JRC蘇生ガイドライン2020、AHAガイドラインなど)により、1分間あたり100回以上120回までと明確に定められています。この範囲で圧迫を行うことで、効果的な血流を確保し、蘇生成功率を高めることができます。選択肢の中では100回がこの基準を満たす最も適切な数値です。
選択肢ごとの解説
- 1. この回数では、心臓から全身への血液供給が著しく不足し、脳や主要臓器の損傷を急速に進行させてしまいます。効果的な蘇生には遠く及びません。正しくは:少なくとも100回/分以上が必要です。選びやすい理由:なし。あまりに低いため、選択肢として選ばれる可能性は低い。混同注意:胸骨圧迫の適切な深さ(約5cm)や、人工呼吸の回数(約10回/分)と混同することはない。
- 2. 血液循環を維持するためには、この回数では不十分です。質の高い心肺蘇生術のためには、より速いペースで胸骨圧迫を行う必要があります。正しくは:少なくとも100回/分以上が必要です。選びやすい理由:なし。適切な回数を知っていれば選ばない。
- 3. この回数では、心臓からの血液拍出量が不十分となり、蘇生効果が低下します。ガイドラインが推奨する速度よりも著しく遅いです。正しくは:少なくとも100回/分以上が必要です。
- 4. 正解。成人の心肺停止時には、最新のガイドライン(JRC蘇生ガイドライン2020など)において、1分間あたり100回から120回のペースで胸骨圧迫を行うことが推奨されています。この回数が、効果的な血流を維持しつつ、圧迫の中断時間を最小限に抑える上で適切であるとされています。
- 5. 1分間あたり120回を超える過度な速さでの胸骨圧迫は、圧迫の深さが不十分になったり、胸郭の完全な解除が損なわれたりする可能性があり、結果として心臓への血液流入が減少して蘇生効果が低下することが示唆されています。正しくは:100回から120回/分の範囲で圧迫を行うべきです。選びやすい理由:「速ければ速いほど良い」という誤解から選択肢になる可能性もあるが、実際には推奨される上限を超えるため不適切。
国試ポイント
心肺蘇生法(CPR)に関する知識は、理学療法士国家試験において頻出の重要なテーマです。特に胸骨圧迫の回数、深さ、換気との比率、中断時間の最小化といった「質の高いCPR」の要素は繰り返し問われます。ガイドラインの最新情報に沿った正確な知識が求められます。
混同注意
小児や乳児の胸骨圧迫の回数(成人と基本は同じだが、深さや手の位置が異なる)胸骨圧迫と人工呼吸の比率(30:2)胸骨圧迫の深さ(約5cm、ただし6cmを超えない)胸郭の完全な解除の重要性過換気の弊害
次に同じ論点が出たら
次回この論点が出題された場合、胸骨圧迫の「深さ」「胸郭の完全な解除」「人工呼吸との比率」など、質の高いCPRの他の要素についても確認する。また、成人に限らず、小児や乳児の蘇生法の違いについても注意を払う。
関連知識
CPRのABCD/CABアプローチ胸骨圧迫の適切な深さ、位置、胸郭の完全な解除人工呼吸の方法(口対口、バッグバルブマスク)と回数自動体外式除細動器(AED)の使用手順と適応回復体位心停止の原因と徴候