疾患と病因・病理学的変化の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
クロイツフェルト・ヤコブ病は、異常プリオンタンパク質が原因で発症する伝達性海綿状脳症であり、感染性疾患に分類されます。これは病原体がタンパク質であるという点で特殊ですが、感染の概念には当てはまります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。クロイツフェルト・ヤコブ病は、プリオンという異常なたんぱく質が脳に蓄積することで発症する感染性疾患(伝達性海綿状脳症)であり、プリオン病の一種です。プリオン自体が感染因子として機能します。
- 2. パーキンソン病は、中脳の黒質にあるドパミン産生神経細胞の変性・脱落によって引き起こされる神経変性疾患です。脱髄疾患ではありません。正しくは:パーキンソン病:神経変性疾患選びやすい理由:神経系の疾患であるため、神経組織の変性に関する用語と混同しやすいかもしれません。混同注意:脱髄疾患(多発性硬化症など)と神経変性疾患を混同する可能性があります。
- 3. 肝性脳症は、肝機能の低下により、アンモニアなどの有害物質が体内で十分に処理されず、脳に到達することで引き起こされる代謝性脳症(毒性脳症)です。神経細胞が不可逆的に変性する神経変性疾患とは異なります。正しくは:肝性脳症:代謝性脳症(毒性脳症)選びやすい理由:脳の機能が障害されるため、神経変性疾患と誤解しやすいかもしれません。混同注意:代謝性脳症と神経変性疾患を混同する可能性があります。
- 4. 正常圧水頭症は、脳室が拡大し、脳脊髄液の循環動態の異常(吸収障害)が原因で発症する疾患です。脳の血流障害が直接的な原因ではありません。正しくは:正常圧水頭症:脳脊髄液循環動態の異常(吸収障害)選びやすい理由:高齢者に多く、脳の機能低下を伴うため、一般的な脳血管障害(血行障害)と関連付けて考えてしまうかもしれません。混同注意:脳血管性認知症などの血行障害による疾患と混同する可能性があります。
- 5. 多発性硬化症は、中枢神経系のミエリンが自己免疫によって攻撃され、脱髄病変を形成する自己免疫性の脱髄疾患です。細胞が異常増殖する腫瘍性疾患ではありません。正しくは:多発性硬化症:自己免疫性脱髄疾患選びやすい理由:「硬化症」という言葉から、何らかの異常な組織の塊(腫瘍)を想像してしまうかもしれません。混同注意:腫瘍性疾患と炎症性・自己免疫性疾患を混同する可能性があります。
国試ポイント
この問題は、主要な神経疾患や脳疾患について、その病態生理や原因、病理学的変化を正確に理解しているかを問うものです。疾患名と病因・病理学的変化の最も適切な組み合わせを選ぶ形式で出題されます。特に、紛らわしい病態や名称に惑わされずに、各疾患の核心的な特徴を識別できる能力が求められます。
混同注意
各選択肢の疾患と病理学的変化が、他の一般的な脳疾患や神経疾患の病態と混同しやすいように設定されています。例えば、神経変性疾患、代謝性脳症、脱髄疾患、血行障害、腫瘍性疾患といった基本的な分類を正確に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、疾患名だけでなく、その病因、病理学的変化、そして具体的な症状まで結びつけて理解できているかを確認する必要があります。特に、原因物質(プリオン、ドパミン、アンモニアなど)や病変部位(黒質、ミエリンなど)についても深く学習しておくことが重要です。
関連知識
プリオン病(クロイツフェルト・ヤコブ病)、神経変性疾患(パーキンソン病、アルツハイマー病)、代謝性脳症(肝性脳症、腎性脳症)、水頭症の種類(正常圧水頭症、交通性水頭症、非交通性水頭症)、脱髄疾患(多発性硬化症、視神経脊髄炎)、腫瘍性疾患(脳腫瘍)など、主要な脳・神経疾患の病因、病態、診断基準、治療の基本。