19歳の男性。基礎疾患はない。自転車エルゴメーターを用いた運動強度を次第に上昇させて運動終点まで運動負荷試験を行ったときの酸素摂取量の測定結果を図に示す。 最大酸素摂取量(mL/分)として正しいのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
最大酸素摂取量 (VO2max) は、単位時間あたりに体内に取り込まれ、利用される酸素の最大量を示す指標です。健康な成人男性の平均的な最大酸素摂取量は、一般的に3000~4000 mL/分、または約35~45 mL/kg/分程度とされています。選択肢の中で、3,500 mL/分は、この一般的な範囲に最も適合する数値であるため、正しい選択肢となります。1000 mL/分や1500 mL/分は低すぎ、4000 mL/分は平均よりやや高いレベル、2500 mL/分はやや低めのレベルを示唆します。
選択肢ごとの解説
- 1. 1000 mL/分は、成人男性の安静時酸素消費量に近い値であり、最大酸素摂取量としては低すぎます。正しくは:最大酸素摂取量は安静時よりもはるかに高い値を示します。選びやすい理由:安静時やごく軽度な活動時の酸素消費量と混同する可能性があります。混同注意:安静時酸素消費量と最大酸素摂取量の違い。
- 2. 1500 mL/分は、最大酸素摂取量としては低い値であり、軽い運動時の酸素消費量に近いと推測されます。正しくは:成人男性の最大酸素摂取量は、通常この値よりもかなり高くなります。選びやすい理由:活動強度の低い運動時の酸素消費量と誤解する可能性があります。混同注意:安静時と最大値の中間の値として選んでしまう可能性。
- 3. 2500 mL/分は、比較的フィットネスレベルの低い成人男性の最大酸素摂取量としてはあり得る数値ですが、この設問の文脈で「正しいのはどれか」と問われた際に、より標準的な範囲で適切な選択肢があります。正しくは:平均的な健康な成人男性の最大酸素摂取量は、より高い値を示すことが多いです。選びやすい理由:運動習慣があまりない人の最大酸素摂取量として考えた場合、選択肢として妥当に見えることがあります。混同注意:個人の身体活動レベルによる違いを考慮しないと、この値を選んでしまうことがあります。
- 4. 正解。成人男性の平均的な最大酸素摂取量は、約3000~4000 mL/分程度とされています。3,500 mL/分はこの範囲内にあり、一般的な健康な成人男性の基準として妥当な数値です。正しくは:この値は、一般的な健康な成人男性が運動時に到達できる最大酸素摂取量の典型的な範囲を示しています。選びやすい理由:他の選択肢と比べて、どの程度が妥当な数値か判断に迷うことがあるかもしれません。混同注意:安静時や特定の疾患を持つ人の値と混同しないように注意が必要です。
- 5. 4,000 mL/分は、運動能力が高い、あるいはアスリートに近いレベルの成人男性の最大酸素摂取量としては考えられる値です。しかし、「正しいのはどれか」という問いに対して、一般的な成人男性の平均値として捉えるならば、3,500 mL/分の方がより広範な平均値として適切であると言えます。正しくは:この値は、平均よりも高い身体能力を持つ人の最大酸素摂取量を示唆します。一般的な平均としてはやや高めです。選びやすい理由:高い運動能力を持つ人の値として正しいと考えてしまう可能性があります。混同注意:平均的な健康な成人の値と、トレーニングされた個人の値の区別。
国試ポイント
最大酸素摂取量に関する基本的な知識と、その一般的な基準値を理解しているかが問われます。運動生理学における重要な指標であり、身体能力評価や運動処方において用いられるため、その単位と一般的な数値を把握しておく必要があります。特に、mL/分とmL/kg/分の違いにも注意が必要です。
混同注意
最大酸素摂取量(mL/分)と体重あたりの最大酸素摂取量(mL/kg/分)の区別。また、安静時酸素消費量や、特定の疾患(心不全など)を持つ場合の酸素摂取量と混同しないこと。さらに、年齢や性別による違いも考慮に入れる必要があります。
次に同じ論点が出たら
この問題が解けた場合、最大酸素摂取量の計算方法(例えば、心拍数や運動強度からの推定)や、特定疾患患者(心不全、COPDなど)における最大酸素摂取量の意義と活用について学習を進めましょう。解けなかった場合は、まず最大酸素摂取量の定義と一般的な基準値、単位について再確認することが必要です。
関連知識
最大酸素摂取量は有酸素運動能力の指標であり、年齢、性別、トレーニングレベルによって変動します。加齢とともに減少し、女性は男性よりも低い傾向があります。測定にはトレッドミルや自転車エルゴメーターを用いた運動負荷試験が用いられます。また、METs(代謝当量)との関係性も理解しておくことが重要です(1 MET = 約3.5 mL/kg/分)。