図に示す両側支柱付長下肢装具について正しいのはどれか。2つ選べ。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
選択肢4の足継手は、両側に支柱があり、底屈・背屈の可動域を調整するためのコイル状のバネが装着されていることから、ダブルクレンザック足継手であると判断できます。このタイプの継手は、足関節の運動を制限しつつ、歩行時の推進力を補助するために用いられます。選択肢5は、長下肢装具は膝継手から下を短下肢装具として利用できるように設計されていることが多く、患者の状態の変化やリハビリテーションの段階に応じて、装具の長さを変更できる柔軟性を持っているため、正しいといえます。
選択肢ごとの解説
- 1. 外側支柱の高さは、股関節の運動を妨げないように大転子から下げるのが一般的ですが、大転子から6cm下という具体的な数値は基準として適切ではありません。通常は上前腸骨棘と大転子の間を結ぶ線の高さにするか、または大転子の約2横指下程度が目安とされます。正しくは:外側支柱の高さは、上前腸骨棘と大転子の間を結ぶ線の高さ、または大転子の約2横指下程度にする。選びやすい理由:装具の高さに関する具体的な数値が提示されているため、正しいと誤解しやすい。しかし、大転子からの具体的な数値指定はまれであり、身体構造と機能に基づいた高さの決定が重要である。混同注意:装具の高さの一般的な基準(骨性ランドマークに基づく)と、特定の疾患や機能に合わせたカスタマイズの必要性。
- 2. 図の膝継手は、回転軸が支柱と一直線上にある一般的なタイプであり、オフセット式ではありません。オフセット式膝継手は、回転軸が支柱より後方にずれており、膝関節の屈曲を抑制し、膝折れを防ぐ効果があります。正しくは:膝継手は一般的なフリータイプである。選びやすい理由:膝継手には様々な種類があるため、見た目から判断しにくい場合がある。オフセット式は比較的よく聞かれる用語であるため、選びやすい可能性がある。混同注意:各種膝継手(フリー、オフセット、ロック式、多軸式など)の構造と機能。
- 3. 下腿半月(下腿前方のカフ)の位置は、膝関節裂隙から2cm下ではなく、膝蓋骨下縁から2cm下、または膝関節裂隙の直上が一般的です。膝関節の動きを阻害せず、かつ適切に下腿を支持するために調整されます。正しくは:下腿半月の位置は膝蓋骨下縁から2cm下、または膝関節裂隙の直上にする。選びやすい理由:装具の各構成要素の位置に関する具体的な数値が提示されているため、正しいと誤解しやすい。しかし、膝関節の構造を考慮すると、膝関節裂隙から2cm下では膝関節の動きを阻害する可能性がある。混同注意:装具の各構成要素の適切な装着位置に関する基準(骨性ランドマークに基づく)。
- 4. 正解。図の足継手には、左右の支柱があり、底屈・背屈の制動と補助を行うコイル状のバネが両側に装着されていることが確認できます。これはダブルクレンザック足継手の特徴であり、足関節の不安定性を補いながら歩行を安定させる効果があります。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、選択する必要がある。混同注意:シングルクレンザック足継手や、単に固定式またはフリー式の足継手。
- 5. 正解。長下肢装具は、リハビリテーションの進展や患者の機能回復に応じて、膝関節より下を切断・調整することで短下肢装具として使用できる構造を持つものが多くあります。これにより、装具を再作成することなく段階的に装具療法を進めることが可能となります。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、選択する必要がある。混同注意:装具の段階的な変更が不可能であるという誤解。実際には機能回復を促進するために、装具の変更や調整が頻繁に行われる。
国試ポイント
長下肢装具の各構成要素の名称と機能、および装具の適応と調整方法について正しく理解しているか。
混同注意
足継手の種類(シングルクレンザック、ダブルクレンザック、フリー、固定など)、膝継手の種類(オフセット、フリー、固定、ロック式など)を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、画像の各部位(足継手、膝継手、カフの位置、支柱の高さなど)を詳細に観察し、それぞれの名称と機能に基づき判断する。
関連知識
長下肢装具の適応症(対麻痺、四肢麻痺、脳性麻痺など)、各構成要素(カフ、支柱、継手、足部)の役割、装具装着時の注意点、歩行訓練時のポイント。