乳癌について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
乳房の外側上部は乳腺組織が最も豊富に存在するため、乳がんの発生頻度が最も高い部位とされています。多くの統計データがこれを裏付けています。
選択肢ごとの解説
- 1. 乳がんによる痛みは必ずしも月経周期と連動せず、進行期やタイプによって異なります。月経前の乳房の痛み(乳房痛)は、多くが良性の乳腺症やホルモン変動によるもので、がんの直接的な症状としては典型的ではありません。正しくは:月経周期に伴う痛みは、多くの場合、乳腺症などの良性疾患に見られる症状であり、乳がんでは進行期や他の症状との関連で認められることがあるが、典型的ではない。選びやすい理由:月経周期と乳腺の症状には関連があるため、一般的な知識から正しいと錯覚しやすい。混同注意:月経周期に関連する乳腺症や線維腺腫などの良性疾患と混同しやすい。
- 2. 正解。乳腺組織が最も発達しているのが乳房の外側上部(腋窩に近い部分)であるため、乳がんの発生頻度が最も高い部位とされています。
- 3. 乳がんの罹患率は40代後半から60代にかけてピークを迎え、高齢になるほど増加する傾向があります。20代での発症は比較的稀です。正しくは:好発年齢は40代後半から60代にかけてである。選びやすい理由:若年層での発症もニュースなどで取り上げられることがあるため、好発年齢だと誤解しやすい。混同注意:乳腺線維腺腫などの良性疾患は比較的若年層に多いことと混同しやすい。
- 4. 乳がん全体の5年生存率は、早期発見・早期治療の進歩により、近年では90%を超えています(国立がん研究センターのデータに基づく)。40%はかなり低い数値です。正しくは:乳がん全体の5年生存率は90%以上である。選びやすい理由:がん=生存率が低いという一般的なイメージから、低い数字が正しいように見える可能性がある。混同注意:すべてのがん種の平均生存率や、進行期Ⅳ期の生存率など、特定の条件下での生存率と混同しやすい。
- 5. 乳がんの発症率は欧米諸国の方が高く、日本を含むアジア諸国は比較的低い傾向にあります。食生活や生活習慣の違いが影響していると考えられています。正しくは:日本の乳がん発症率は欧米諸国よりも低い。選びやすい理由:日本人の生活習慣の欧米化により、乳がんが増加しているという事実から、発症率も高いと誤解しやすい。混同注意:乳がんの罹患率が日本でも増加傾向にあるという事実と、欧米との比較を混同しやすい。
国試ポイント
乳がんの疫学(好発年齢、部位、生存率、地域差)に関する基本的な知識が問われています。特に好発部位は重要で、自己触診や検診の際にも意識されるポイントです。
混同注意
乳がんの症状、良性疾患との鑑別、一般的ながん統計の誤解など、様々な知識と混同しやすい選択肢が含まれています。特に、月経周期との関連や生存率は誤解が生じやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合は、好発年齢や生存率の具体的な数値、また他の主要ながん(胃がん、肺がんなど)との比較、または乳がんのステージ別の特徴について問われる可能性があります。特に、最新の生存率データは常に更新されるため注意が必要です。
関連知識
乳がんの診断方法(マンモグラフィ、超音波検査、生検)、治療法(手術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、分子標的薬)、リスク因子(遺伝的要因、出産歴、授乳歴、肥満、飲酒、閉経後のホルモン補充療法など)