蓄尿時に作用する体性運動神経はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
蓄尿時には、自律神経系(交感神経)が膀胱平滑筋を弛緩させ、内尿道括約筋を収縮させることで膀胱への尿貯留を促します。これに加え、体性運動神経である陰部神経が外尿道括約筋を意識的に収縮させることで、排尿を我慢し、尿が漏れるのを防ぎます。設問は「体性運動神経」を尋ねているため、陰部神経が正解となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。陰部神経は体性神経であり、外尿道括約筋を支配しています。この筋肉は意識的に収縮させることで排尿を我慢し、尿を膀胱内に保持する(蓄尿)役割を担っています。
- 2. 下殿神経は下肢の筋肉(大殿筋など)を支配する体性運動神経であり、排尿や蓄尿とは直接関係ありません。正しくは:下殿神経は下肢の運動に関与します。選びやすい理由:「神経」という単語が含まれているため、内臓機能に関連すると誤解される可能性がありますが、支配領域が異なります。混同注意:他の自律神経や体性神経の支配領域との混同。
- 3. 下腹神経は交感神経であり、膀胱の平滑筋(排尿筋)を弛緩させ、内尿道括約筋を収縮させることで蓄尿を補助しますが、体性運動神経ではありません。蓄尿時に作用しますが、問題は「体性運動神経」を尋ねています。正しくは:下腹神経は交感神経であり、蓄尿を補助する自律神経です。選びやすい理由:蓄尿時に作用するという点で正しい部分があるため、これが正解だと勘違いしやすいです。しかし、問題文の「体性運動神経」という限定を見落とすと誤答につながります。混同注意:自律神経(交感神経、副交感神経)と体性神経の区別、およびそれぞれの役割との混同。
- 4. 骨盤神経は副交感神経であり、排尿時に膀胱の排尿筋を収縮させ、内尿道括約筋を弛緩させることで排尿を促進します。蓄尿ではなく排尿に関与します。正しくは:骨盤神経は副交感神経であり、排尿に関与します。選びやすい理由:骨盤臓器の機能に関わるため、排尿・蓄尿に関連すると考えやすいですが、役割と作用の時期が異なります。混同注意:交感神経(下腹神経)と副交感神経(骨盤神経)の機能、および蓄尿と排尿それぞれの時期における神経の役割の混同。
- 5. 閉鎖神経は大腿の内転筋群を支配する体性運動神経であり、股関節の運動に関与します。排尿や蓄尿とは直接関係ありません。正しくは:閉鎖神経は大腿内転筋群の運動に関与します。選びやすい理由:「神経」という単語が含まれているため、内臓機能に関連すると誤解される可能性がありますが、支配領域が異なります。混同注意:他の自律神経や体性神経の支配領域との混同。
国試ポイント
排尿・蓄尿のメカニズムにおける自律神経(交感神経、副交感神経)と体性神経(陰部神経)のそれぞれの役割と、どの時期(蓄尿期か排尿期か)にどの神経が機能するかを正確に理解しているかが問われます。特に、体性神経と自律神経の区別、および交感神経と副交感神経の対抗的な作用の理解が重要です。
混同注意
蓄尿に関わる神経として「下腹神経(交感神経)」が挙げられるため、体性運動神経と自律神経の区別が曖昧だと誤答しやすいです。また、骨盤神経は排尿に関わる副交感神経であり、その機能も混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、排尿時と蓄尿時それぞれの、自律神経(交感神経・副交感神経)および体性神経の具体的な役割と、それに伴う各括約筋の収縮・弛緩状態を問う問題が出ると考えられます。また、排尿反射の経路や中枢レベルでの制御についても確認が必要です。
関連知識
排尿反射中枢(仙髄)、橋排尿中枢、大脳皮質による排尿の随意的な制御。膀胱の解剖学的構造(排尿筋、内尿道括約筋、外尿道括約筋)。神経支配の詳細。