機能的イレウスの原因となるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
機能性イレウス(麻痺性イレウス)は、腸管の器質的な閉塞がないにもかかわらず、腸管の蠕動運動が機能的に障害されることによって起こります。長期臥床は、全身状態の低下や活動性の低下に伴い、腸管の運動機能が低下し、消化管内容物の停滞を引き起こすため、機能性イレウスの原因となります。選択肢1, 2, 4, 5は、腸管の物理的な閉塞が原因となる機械的イレウスに分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 大腸がんは腸管内腔を狭窄させることで、機械的イレウスの原因となります。機能性イレウスではありません。正しくは:大腸がんは、閉塞性イレウスの一種である機械的イレウスの原因となります。選びやすい理由:がんという重篤な病態であるため、イレウスの原因として頭に浮かびやすいですが、機能性と機械性の区別が重要です。混同注意:機械的イレウスと機能性イレウス
- 2. 腸重積は、腸管が隣接する腸管に陥入することで物理的な閉塞を引き起こすため、機械的イレウスの原因となります。機能性イレウスではありません。正しくは:腸重積は、閉塞性イレウスの一種である機械的イレウスの原因となります。選びやすい理由:小児の急性腹症として有名であり、腸の動きが関係するように思われがちですが、閉塞自体は物理的なものです。混同注意:機械的イレウスと機能性イレウス
- 3. 正解。長期臥床は腸管の蠕動運動を低下させ、腸内容物の輸送が阻害されることで機能性イレウス(麻痺性イレウス)を引き起こす主要な原因の一つです。特に術後や高齢者に多く見られます。
- 4. 内ヘルニアは、腹腔内の解剖学的な隙間や孔に腸管が入り込み嵌頓することで、腸管の物理的な閉塞を引き起こすため、機械的イレウスの原因となります。機能性イレウスではありません。正しくは:内ヘルニアは、閉塞性イレウスの一種である機械的イレウスの原因となります。選びやすい理由:ヘルニアも腹部のトラブルとして認識されやすいですが、閉塞機転が物理的である点を理解しているかが問われます。混同注意:機械的イレウスと機能性イレウス
- 5. 腹腔内癒着は、過去の手術や炎症によって生じた線維性組織が腸管を締め付けたり、屈曲させたりすることで物理的な通過障害を引き起こすため、機械的イレウスの最も一般的な原因の一つです。機能性イレウスではありません。正しくは:腹腔内癒着は、閉塞性イレウスの一種である機械的イレウスの原因となります。選びやすい理由:手術後に起こりやすく、腸の動きに影響を与えそうに思えますが、通過障害の原因は物理的な狭窄や屈曲です。混同注意:機械的イレウスと機能性イレウス
国試ポイント
イレウスは機械的イレウスと機能性イレウスに大別され、それぞれの原因疾患を正確に区別できるかどうかが問われることが多いです。特に、麻痺性イレウスを引き起こす非器質的な要因を理解しておく必要があります。
混同注意
機械的イレウス(特に絞扼性イレウスや閉塞性イレウス)と機能性イレウスの概念とその具体例。両者の病態生理の違いを混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、麻痺性イレウスを引き起こす薬剤(例:抗コリン薬、オピオイド)や全身疾患(例:脊髄損傷、糖尿病性ニューロパチー)も区別できるかを確認すると良いでしょう。また、絞扼性イレウスの緊急性と鑑別点も重要です。
関連知識
イレウスの分類(麻痺性、痙攣性、絞扼性、閉塞性)、それぞれの原因(術後、薬物、腹膜炎、虚血、癌、ヘルニア、癒着など)、症状(腹痛、嘔吐、腹部膨満、排便・排ガス停止)、診断(レントゲン、CT)、治療(保存的治療、手術)。