赤血球の産生が低下しないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
溶血性貧血は、赤血球が異常に早く破壊されることで生じる貧血です。この状況に対し、骨髄は赤血球の破壊に代償しようと、赤血球の産生を通常よりも増加させます。したがって、赤血球の産生自体は低下するどころか、むしろ亢進します。
選択肢ごとの解説
- 1. 腎臓で産生されるエリスロポエチンというホルモンは赤血球の産生を促進しますが、腎性貧血ではこのエリスロポエチンの産生が低下するため、赤血球の生成が減少します。正しくは:エリスロポエチン産生低下により、赤血球の生成は減少する。選びやすい理由:腎臓の病気であることは知られているため、貧血と関連付けやすいが、赤血球産生低下のメカニズムを正確に理解していないと誤解しやすい。混同注意:他の種類の貧血と原因を混同しやすい。特に、栄養性貧血(鉄欠乏性、巨赤芽球性)と区別がつきにくいことがある。
- 2. 正解。溶血性貧血は、赤血球が通常よりも早く破壊されることによって生じる貧血です。赤血球の産生自体は、骨髄での造血機能が亢進することでむしろ増加します(代償性増多)。正しくは:(正しいため修正不要)選びやすい理由:貧血という言葉から、すべて赤血球産生低下を伴うと考える人もいるかもしれない。混同注意:赤血球が「少ない」という結果だけを見て、原因が産生低下であると誤解しやすい。
- 3. 鉄はヘモグロビン(赤血球の主要成分)の合成に不可欠なため、鉄が不足すると赤血球の産生が低下します。正しくは:鉄不足によりヘモグロビン合成が障害され、赤血球の生成は減少する。選びやすい理由:一般的な貧血の原因としてよく知られているため、イメージしやすいが、産生低下というメカニズムを意識していないと正答肢との区別がつきにくい。混同注意:溶血性貧血のように赤血球破壊が主因の貧血と混同しやすい。
- 4. 巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸の欠乏によってDNA合成が障害され、赤血球の成熟が阻害される結果、効果的な赤血球の産生が低下します。正しくは:ビタミンB12や葉酸の欠乏により、DNA合成が障害され、赤血球の生成は減少する。選びやすい理由:「巨赤芽球」という名称から赤血球の形態異常を連想しやすいが、結果として効果的な産生は低下する。混同注意:鉄欠乏性貧血と同じく栄養性貧血の一種であり、混同しやすい。
- 5. 骨髄異形成症候群は、骨髄の造血幹細胞に異常が生じ、赤血球を含む血球が効果的に産生されなくなる(無効造血)ため、赤血球の生成が低下します。正しくは:骨髄の造血幹細胞の異常により、無効造血が生じ、赤血球の生成は減少する。選びやすい理由:骨髄の異常という点で、赤血球産生に直接関わる病気であると理解できるが、産生「低下」を伴うことを認識していないと間違えやすい。混同注意:再生不良性貧血など、他の骨髄の異常による貧血と混同しやすい。
国試ポイント
貧血の種類とその原因となるメカニズム(赤血球の産生低下、破壊亢進、出血など)を正確に理解しているかが問われています。特に、単に「貧血=赤血球が少ない」という結果だけでなく、その背後にある生理学的・病理学的機序を把握していることが重要です。
混同注意
すべての貧血が赤血球の産生低下を原因とすると誤解しやすい。特に、破壊亢進による貧血(溶血性貧血)と、産生低下による貧血(腎性、鉄欠乏性、巨赤芽球性、骨髄異形成症候群など)の区別がつきにくい。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、貧血の病態生理を分類する視点(産生低下型、破壊亢進型、出血型など)を明確にし、各病型の具体的な疾患名とメカニズムを結びつけて覚えているかを確認しましょう。
関連知識
エリスロポエチンの役割、ヘモグロビン合成に必要な栄養素(鉄、ビタミンB12、葉酸)、骨髄の造血機能、溶血性貧血の検査所見(網状赤血球増加など)。