細胞膜電位について誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
活動電位の脱分極相では、電位依存性ナトリウムチャネルが開口し、ナトリウムイオンが細胞外から細胞内へ流入することで膜電位が正に変化します。カリウムイオンは主に再分極相において、電位依存性カリウムチャネルの開口により細胞内から細胞外へ流出し、膜電位を静止電位に戻す役割を果たします。
選択肢ごとの解説
- 1. この記述は正しい。静止膜電位は、細胞内が細胞外に対して負に帯電している状態を指します。正しくは:この記述は正しいので修正不要です。選びやすい理由:細胞膜電位の基本であり、多くの学生が正しく認識しているため、誤りとは考えにくいでしょう。混同注意:静止膜電位の発生機序(K+漏洩チャネル、Na+/K+ポンプなど)と混同することはあるかもしれませんが、その値が負であることは基本的な知識です。
- 2. この記述は正しい。活動電位は閾値以上の刺激に対しては常に同じ大きさで発生し、閾値以下の刺激では発生しません。これが全か無の法則です。正しくは:この記述は正しいので修正不要です。選びやすい理由:全か無の法則は活動電位の重要な特徴であり、多くの学生が正しく認識しているため、誤りとは考えにくいでしょう。混同注意:局所電位など、刺激強度に応じて応答が変化する他の電位変化と混同する可能性があります。
- 3. この記述は正しい。活動電位の発生直後には、Na+チャネルの不活性化などにより、次の活動電位が発生しにくい不応期(絶対不応期と相対不応期)が存在します。正しくは:この記述は正しいので修正不要です。選びやすい理由:不応期は活動電位の伝導における重要な概念であり、生理学の基本的な知識として広く認識されています。混同注意:不応期のメカニズム(イオンチャネルの不活性化)と混同することはあるかもしれませんが、不応期が存在すること自体は誤りではありません。
- 4. この記述は正しい。活動電位の脱分極相において、膜電位がゼロを超えて正の電位に達する部分をオーバーシュートと呼びます。正しくは:この記述は正しいので修正不要です。選びやすい理由:オーバーシュートという用語は専門的ですが、細胞膜電位の変化を理解する上で重要な要素です。混同注意:脱分極、再分極といった活動電位の各相の名称と混同したり、その定義を誤解したりする可能性があります。
- 5. 正解。この記述は誤りです。活動電位の脱分極相では、主にナトリウムイオン(Na+)が細胞外から細胞内に流入することで膜電位が正に変化します。カリウムイオン(K+)は主に再分極相で細胞内から細胞外へ流出し、膜電位を静止電位に戻す役割を担います。正しくは:脱分極の際には、ナトリウムイオンが細胞外から細胞内に移動します。または、再分極の際には、カリウムイオンが細胞内から細胞外に移動します。選びやすい理由:イオンの移動方向と電位変化の関連は複雑であり、ナトリウムとカリウムの役割を混同しやすい点が狙われています。混同注意:活動電位におけるナトリウムイオンとカリウムイオンのそれぞれの役割、特に移動方向と膜電位の変化との関連を混同しやすいです。
国試ポイント
細胞膜電位(静止膜電位、活動電位)の基礎知識、特に活動電位の発生メカニズムとそれに伴う主要イオン(Na+、K+)の移動方向、および各用語(脱分極、再分極、過分極、オーバーシュート、不応期、全か無の法則)の定義が問われています。
混同注意
ナトリウムイオンとカリウムイオンの活動電位における役割と移動方向の混同。脱分極と再分極の電位変化と、それぞれのイオンチャネルの開閉タイミングおよびイオン流出入の関連を正確に理解していないと間違いやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後この論点が出題される場合、活動電位の各相におけるイオンチャネルの開閉状態、Na+/K+ポンプの直接的な役割(静止膜電位の維持に関与するが、活動電位の急峻な変化には直接関与しない点)、特定の薬剤がイオンチャネルに与える影響なども問われる可能性があります。また、興奮性シナプス後電位(EPSP)や抑制性シナプス後電位(IPSP)など、他の電位変化との比較も重要です。
関連知識
神経細胞や筋細胞における興奮伝導のメカニズム、イオンチャネルの種類と機能(電位依存性Na+チャネル、K+チャネル)、Na+/K+ポンプの役割、局所電位と活動電位の違い。