神経原性ショックの特徴はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
神経原性ショックは、脊髄損傷などにより交感神経の遠心路が障害され、血管運動中枢からの調節が途絶えることで起こります。これにより末梢血管は拡張し、相対的な循環血液量減少と血圧低下が生じます。心臓の交感神経支配も障害されるため、迷走神経が優位となり徐脈を呈するのが特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. 神経原性ショックでは、脊髄損傷などにより交感神経が抑制されるか、または機能不全に陥るため、交感神経の緊張は起こりません。正しくは:交感神経の活動低下または麻痺選びやすい理由:ショックと聞くと、一般的に生体防御反応として交感神経が活性化すると考えるため。混同注意:他の種類のショック(例: 循環血液量減少性ショック)における交感神経反応と混同しやすいです。
- 2. 正解。神経原性ショックでは、脊髄損傷により心臓を支配する交感神経(T1-L2領域)の機能が失われ、迷走神経(副交感神経)が優位になるため、心拍数が低下し徐脈を呈します。
- 3. 神経原性ショックでは、血管拡張による前負荷および後負荷の低下、さらに徐脈により心拍出量は減少します。交感神経の機能不全も心収縮力を低下させる要因となります。正しくは:心拍出量の減少選びやすい理由:ショック状態では代償機構として心拍出量が増加すると考える可能性があるため。混同注意:初期の循環血液量減少性ショックなど、他のショックにおける代償性反応と混同しやすいです。
- 4. 神経原性ショックでは、血管拡張により血管床容量が増大するため、相対的に循環血液量が不足した状態となり、中心静脈圧は低下します。正しくは:中心静脈圧の低下選びやすい理由:体液貯留など他の病態による中心静脈圧上昇と混同する可能性があります。混同注意:心不全や他の原因による循環過負荷状態と混同しやすいです。
- 5. 神経原性ショックでは、交感神経の機能不全により皮膚血管が拡張するため、温かく乾燥した皮膚が特徴です(warm shock)。正しくは:皮膚温の上昇(温かく乾燥した皮膚)選びやすい理由:ショックの一般的なイメージとして「冷たい皮膚」を連想しやすいため。混同注意:循環血液量減少性ショックや心原性ショックなどの「冷たいショック」と混同しやすいです。
国試ポイント
神経原性ショックの病態生理、特に自律神経系の関与とそれに伴う特徴的な身体所見(徐脈、皮膚温の変化、血圧低下)を理解しているかどうかが問われています。他のショックとの鑑別点も重要です。
混同注意
他の種類のショック(循環血液量減少性ショック、心原性ショック、敗血症性ショックなど)の症状と混同しやすいです。特に、皮膚温が「冷たいショック」と「温かいショック」の鑑別は重要です。
次に同じ論点が出たら
今後、神経原性ショックの設問が出た場合、血圧、皮膚温、意識レベル、尿量、呼吸状態などの他のバイタルサインや身体所見の変化、および治療法に関する知識が問われる可能性があります。
関連知識
脊髄損傷のレベルと自律神経機能障害、ショックの分類とその病態生理、心臓の交感神経・副交感神経支配。