摂食嚥下障害に対するShaker法について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
Shaker法は、仰臥位で頭部を持ち上げ、顎を胸に近づける運動(ヘッドリフト)であり、舌骨上筋群の筋力と持久力を強化することを目的としています。舌骨上筋群は、嚥下時に喉頭を挙上させ、食道入口部を開大させる役割があるため、この筋群の強化は嚥下機能の改善に繋がります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。Shaker法は、食道入口部開大筋群(特に舌骨上筋群)の筋力と持久力を向上させることを目的としています。これらの筋肉は、嚥下時に喉頭を挙上させ、食道入口部を開大させる重要な役割を担っています。このトレーニングによって、食塊がスムーズに食道へ流入できるよう促進されます。選びやすい理由:他の選択肢が明確に誤りであることが分かれば、この選択肢が正解と判断しやすいです。混同注意:他の嚥下訓練法や、Shaker法自体が食道入口部を『開大』させることを目的としている点と混同しやすいかもしれません。
- 2. Shaker法の目的は、食道入口部を『開大』させることです。食道入口部が閉鎖されると、食塊の通過が阻害され、嚥下困難が悪化します。正しくは:食道入口部を開大させます。選びやすい理由:嚥下運動に関わる部分なので、関連性があるように感じさせるかもしれません。しかし、目的が逆です。混同注意:Shaker法が舌骨上筋群を強化し、それが食道入口部の開大に繋がるというメカニズムを理解していないと誤解しやすいです。
- 3. Shaker法は頭部を挙上し保持する運動であり、呼吸の停止を直接的な指示として含むものではありません。嚥下時の呼吸停止(嚥下性無呼吸)は生理的な現象ですが、Shaker法自体は意識的な呼吸停止を要求するものではありません。正しくは:このトレーニング中に呼吸を止める必要はありません。選びやすい理由:嚥下訓練の中には呼吸を意識する練習もあるため、関連があるように思えるかもしれません。混同注意:嚥下運動における生理的な呼吸停止と、Shaker法の具体的な実施方法を混同する可能性があります。
- 4. Shaker法は、仰臥位で頭部を持ち上げ、首から上の重みだけで顎を胸に近づける運動(ヘッドリフト)を行います。頭部を伸展(後方に反らせる)すると、舌骨上筋群に負荷がかからず、むしろ嚥下機能の低下を招く危険性があります。正しくは:頭部を屈曲し、顎を胸に近づけます(ヘッドリフト)。選びやすい理由:首の運動であるため、他の首の運動と混同しやすいかもしれません。特に、頭部を後方に傾けることで、重力を使った運動に見える錯覚があるかもしれません。混同注意:Shaker法における『頭部挙上』と、一般的な頭部の伸展運動を混同しやすいです。
- 5. Shaker法は、仰臥位(仰向け)で行うのが基本です。この姿勢で頭部を持ち上げることで、重力による負荷を利用して舌骨上筋群を効果的に強化できます。座位では異なる筋肉に負荷がかかり、目的とする効果が得られにくいです。正しくは:仰臥位(仰向け)で行います。選びやすい理由:多くのリハビリ運動が座位で行われるため、これも座位で行うと誤解しやすいです。混同注意:Shaker法の正しい実施姿勢を理解していない場合に誤りやすいです。他の嚥下訓練で座位で行うものと混同する可能性があります。
国試ポイント
摂食嚥下障害に対する具体的なリハビリテーション方法について、その目的と実施方法の基礎知識が問われています。特に、Shaker法の目的である喉頭挙上筋群(舌骨上筋群)の強化、そして食道入口部の開大という効果を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
Shaker法と他の嚥下訓練法(例:Mendelsohn手技、Masako法、代償的嚥下法)の目的や実施方法。特に、頭部の運動を伴う他の方法と混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後、Shaker法について問われる際は、その適応となる患者像(例:食道入口部開大不全)、禁忌事項(例:頸椎疾患、認知機能低下)、または他の嚥下訓練との比較問題として出題される可能性があります。また、より具体的な実施方法(例:頭部挙上角度、保持時間、回数)に関する詳細も問われるかもしれません。
関連知識
舌骨上筋群の解剖学的知識、嚥下メカニズムの各相(口腔相、咽頭相、食道相)、食道入口部開大の重要性、誤嚥防止のための他の嚥下訓練法。