対応があり正規分布を示さない連続変数の2群間の差を検討するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
Wilcoxon符号付順位検定は、対応のある2群間(例: 同一被験者の介入前後や左右差など)において、データが正規分布に従わない場合や順位尺度データの場合に、その差を比較するためのノンパラメトリック検定です。設問のすべての条件(対応があり、正規分布を示さない、2群間の連続変数の差)を満たします。
選択肢ごとの解説
- 1. この検定は、対応のある2つのグループの平均値の差を比較する際に使用されますが、データが正規分布に従うことを前提とするパラメトリック検定です。設問の「正規分布を示さない」という条件には適合しません。正しくは:データが正規分布に従う場合に、対応のある2群間の差を比較する際に用いる。選びやすい理由:「対応がある」「2群間の差を検討する」という点は設問と一致しているため、正規分布の条件を見落とすと選択肢として有力に感じられるかもしれません。混同注意:対応のある2群間の差を比較する検定である点で、正規分布を仮定しないWilcoxon符号付順位検定と混同しやすいです。
- 2. この検定は、3つ以上の独立したグループの平均値の差を比較する際に用いられます。設問の「2群間」であることや、「対応がある」という条件には合致しません。また、データが正規分布に従うことを前提とするパラメトリック検定です。正しくは:独立した3群以上のグループの平均値の差を比較する際に、データが正規分布に従う場合に用いる。選びやすい理由:「群間の差を比較する」という共通点がありますが、「2群」と「3群以上」、「対応の有無」、「正規分布の有無」といった条件を軽視すると誤って選ぶ可能性があります。混同注意:3群以上の比較である点や、正規分布を仮定する点で、Kruskal-Wallis検定(ノンパラメトリック版)と混同しやすいです。
- 3. この検定は、3つ以上の独立したグループ間で、正規分布に従わないデータの差を比較するノンパラメトリック検定です。設問は「2群間」の比較を求めており、群数が一致しません。正しくは:独立した3群以上のグループ間で、正規分布に従わないデータの差を比較する際に用いる。選びやすい理由:「正規分布を示さない」「群間の差を検討する」という点は設問と一致しているため、「2群」と「3群以上」の条件の違いを見落とすと誤って選択しがちです。混同注意:3群以上のノンパラメトリック検定である点で、独立した2群のMann-WhitneyのU検定や、対応のある2群のWilcoxon符号付順位検定と混同しやすいです。
- 4. この検定は、互いに独立した2つのグループ間で、正規分布に従わないデータの差を比較するノンパラメトリック検定です。設問では「対応がある」2群間の差を検討するとされており、群間の関係が一致しません。正しくは:独立した2つのグループ間で、正規分布に従わないデータの差を比較する際に用いる。選びやすい理由:「正規分布を示さない」「2群間の差を検討する」という点は設問と一致しているため、「対応の有無」という重要な条件を見落とすと誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:正規分布を仮定しない2群間の差を比較する検定である点で、対応のあるWilcoxon符号付順位検定と非常に混同しやすいです。
- 5. 正解。この検定は、互いに対応する2つのグループ間(例: 介入の前後、左右差など)において、データが正規分布に従わない場合や順位尺度データの場合に、その差を比較するためのノンパラメトリック検定です。設問の「対応がある」「正規分布を示さない」「連続変数」「2群間の差を検討する」というすべての条件を満たしています。
国試ポイント
統計的検定法の選択は、データの性質(尺度水準、分布)、群の数、群間の関係(独立/対応)を正確に理解しているかが問われる頻出のテーマです。特に、正規分布の仮定ができない場合のノンパラメトリック検定の適用は、国家試験でよく出題されます。対応のある2群のノンパラメトリック検定としてWilcoxon符号付順位検定が選択肢に含まれることが多いです。
混同注意
統計的検定法は、主に「対応の有無」と「正規分布の仮定の有無」によって使い分けが混同しやすいです。具体的には、対応のある2群間の検定では、正規分布を仮定できる場合はPaired-t検定、できない場合はWilcoxon符号付順位検定。独立した2群間の検定では、正規分布を仮定できる場合はt検定(Welchのt検定など)、できない場合はMann-WhitneyのU検定。3群以上の場合は、正規分布を仮定できる場合は分散分析、できない場合はKruskal-Wallis検定とそれぞれ混同しやすいので注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、まずデータの「対応の有無」、次に「群の数(2群か3群以上か)」、そして「正規分布の仮定が可能か否か」の3つの条件を順に確認することで、適切な統計手法を判断できます。
関連知識
統計検定の選択には、データの尺度水準(名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比率尺度)の理解も重要です。また、パラメトリック検定とノンパラメトリック検定の基本的な違い、および各検定の適用条件と具体的な臨床での使用例を学ぶと、より深く理解できます。