身体計測で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
胸囲測定は、呼吸運動によって胸郭の大きさが変動するため、測定条件を統一することが重要です。一般的に、安静時における呼気の終わりに測定することで、安定した基準値を得ることができます。これは多くの標準的な身体計測法に準拠しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 体重は日内変動があるため、測定時刻を統一することが重要ですが、一般的には食前や起床後など、条件が安定しやすい午前中が望ましいとされています。正しくは:体重測定は、日内変動を考慮し、毎回同じ時刻(例:起床後、排泄後、食前など)に行うべきであり、一般的には午前中が推奨されます。選びやすい理由:午後であれば食事や水分摂取による影響が大きいという直感から、測定に不向きと考えることもできますが、『午後遅い時間』が必ずしも不適切とは断言できないため、曖昧に感じてしまうかもしれません。混同注意:体重測定のタイミングと、日内変動による影響。
- 2. 身長測定の際には、測定誤差を最小限にするため、両足を閉じ、かかと、臀部、背中、後頭部を測定板にしっかりつける姿勢が基本です。正しくは:身長測定の際は、両足を閉じ、かかとを揃えて、測定板に背中全体を密着させるように立つ。選びやすい理由:安定した姿勢をとるために足を開く方が良いと誤解する可能性があります。混同注意:安定した姿勢と正確な測定のための標準的な姿勢。
- 3. 正解。胸囲測定は、呼気と吸気によって大きく変動するため、安静時の呼気終末(肺が一番縮んだ状態)で測定することで、統一された基準で測定できます。これは多くの身体計測マニュアルで標準とされています。正しくは:正しい選択肢のため修正不要。選びやすい理由:吸気時や中間位など、他の呼吸相で測るという選択肢もあるため、迷うかもしれませんが、一般的に胸郭の安静時サイズを評価する目的では呼気終末が用いられます。混同注意:最大吸気時胸囲、最大呼気時胸囲など、呼吸機能評価のための特別な測定と混同する。
- 4. 棘果長は、下肢長の指標の一つであり、上前腸骨棘から外果までの長さを指します。内果ではありません。正しくは:棘果長は、上前腸骨棘から足関節の『外果』までの長さを測定する。選びやすい理由:内果も外果も足関節にある骨の突出部なので、どちらか迷いやすいです。混同注意:内果と外果の解剖学的位置。
- 5. 手長は、一般的に手関節の背側中央線(橈骨茎状突起と尺骨茎状突起を結ぶ線の中点)から、中指の先端までの長さを指します。尺骨茎状突起から直接測定するわけではありませんし、小指の先端まででもありません。正しくは:手長は、手関節の背側中央線(橈骨茎状突起と尺骨茎状突起を結ぶ線の中点)から『中指の先端』までの長さを測定する。選びやすい理由:尺骨茎状突起が手首のランドマークであるため、ここを起点とすることがあり得ると考えてしまいがちです。また、小指も指の先端であるため、指の種類に注意が向かないと間違えやすいです。混同注意:手長の測定基準点(橈骨茎状突起、尺骨茎状突起、手関節背側中央)と、どの指の先端まで測るか(中指、小指など)。
国試ポイント
身体計測の基本的な方法や、測定時の注意点が問われています。特に、測定の『基準点』や『タイミング』が正確に理解されているかを確認する問題です。解剖学的な知識(内果・外果、骨のランドマーク)と、測定手技の標準的な手順が問われます。
混同注意
各部位の計測における適切な体位やタイミング、ランドマークとなる骨。特に、下肢長や胸囲、手長の測定方法は、様々なバリエーションがあるため、国試で問われる標準的な定義をしっかり押さえる必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、他の身体計測項目(例:膝窩高、坐高、上肢長、足長など)の正確な測定方法や、測定時の留意点(例:衣服、測定器具、測定者の姿勢)が問われる可能性があります。また、測定値の解釈や、異常値が示す可能性のある疾患との関連もチェックしておきましょう。
関連知識
身体計測は、理学療法士が患者さんの状態を評価する上での基本中の基本です。身長、体重、胸囲、四肢長(棘果長など)、手長などの測定は、成長発達の評価、栄養状態の把握、姿勢分析、左右差の評価、関節可動域制限の評価など、多岐にわたる臨床場面で活用されます。正確な測定手技の習得は、信頼性の高い評価に直結します。