Danielsらの徒手筋力テストにおいて座位で筋力3を判定できるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
上腕三頭筋は肘関節の伸展を主な作用とする筋であり、座位の姿勢で上腕を安定させ、肘関節の伸展運動に対して抵抗を加えることで筋力評価を正確に行うことが可能です。この評価は、他の多くの体幹や下肢の筋のように特定の体位制限が少ないため、座位で実施しやすい典型的な例となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 大胸筋の徒手筋力テストは、通常、患者を背臥位にして、肩関節の水平内転と内旋に対して抵抗を加えることで評価します。正しくは:大胸筋のMMTは背臥位で評価します。選びやすい理由:胸の筋肉は座位でも動きが確認できるため、座位で評価できると誤解しやすいかもしれません。混同注意:広背筋など、体幹を支持することで座位での評価が可能な他の筋と混同する可能性があります。
- 2. 肩甲下筋のMMTは、肩関節の内旋筋力として評価しますが、正確な評価のためには側臥位や背臥位で肩関節を90度外転させ、肘関節を90度屈曲させた姿勢で行うのが一般的です。正しくは:肩甲下筋のMMTは側臥位や背臥位で評価します。選びやすい理由:肩関節のインナーマッスルであり、小さな動きでも評価できるように思えるため。混同注意:他の肩関節周囲筋(棘上筋、棘下筋、小円筋)のMMTの手順と混同しやすいです。
- 3. 正解。上腕三頭筋は肘関節の伸展を主に行うため、患者を座位に保ち、上腕を固定して肘関節の伸展に対して抵抗を加えることで筋力評価が可能です。
- 4. 下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)のMMTは、足関節の底屈を評価するため、通常は立位でのかかと上げ(Grade 3以上)や、腹臥位または座位での足関節底屈に対して抵抗を加える方法で行いますが、座位単独で高負荷の評価は困難です。正しくは:下腿三頭筋のMMTは立位や腹臥位で評価することが多いです。座位の場合は足関節の固定が必要になります。選びやすい理由:座位でも足関節は動かせるため、評価可能と思われがちです。混同注意:他の下肢の筋(例:大腿四頭筋)のMMTの手順と混同する可能性があります。
- 5. ハムストリングスのMMTは、股関節の伸展と膝関節の屈曲を評価するため、通常は腹臥位または背臥位(膝屈曲)で抵抗を加えて行います。座位では評価が困難です。正しくは:ハムストリングスのMMTは腹臥位や背臥位で評価します。選びやすい理由:座位で膝を曲げる動作はできるため、ハムストリングスを評価できると誤解しやすいかもしれません。混同注意:大腿四頭筋など、座位で評価しやすい他の下肢筋と混同する可能性があります。
国試ポイント
徒手筋力テスト (MMT) において、各筋の評価に適した基本的な体位に関する知識が問われています。特に、どの筋が座位で評価可能かという具体的な応用力が試されます。
混同注意
MMTの評価体位は、筋の作用、重力の影響、抵抗の加え方、固定のしやすさによって決定されます。そのため、似たような位置にある筋でも、評価に適した体位が異なる場合があり、混同しやすいポイントです。例えば、肩関節周囲筋や股関節周囲筋は、作用が多方向であるため、適切な体位を覚えるのが難しいことがあります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各筋のMMTにおける『基本姿勢』と『抵抗を加える方向』、『固定部位』を正確に理解しているかを問う問題が予想されます。特に、Grade 2やGrade 1といった重力の影響を除外した評価体位についても問われる可能性があります。
関連知識
MMTの基本原則(重力の影響除去、抵抗の加え方、固定の方法)、各主要筋の起始・停止・作用、および評価グレードごとの手順。特にDanielsらのMMTでは、評価の標準化された手順と体位が重要になります。