6歳の男児。潜在性二分脊椎。足部の変形を図に示す。MMTを行ったところ、大腿四頭筋の筋力は5、内側ハムストリングスは3、前脛骨筋は3、後脛骨筋は2であった。Sharrardの分類による障害レベルはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
Sharrardの分類は、二分脊椎の運動麻痺レベルを脊髄神経支配筋のMMTによって細かく分類したものです。III群はL3麻痺に相当し、股関節屈曲および膝関節伸展は正常かそれに近い筋力がありますが、股関節伸展や膝関節屈曲、足関節の運動に部分的麻痺を認めます。具体的には、大腿四頭筋がNormal、内側ハムストリングスがPoor、前脛骨筋がFair、後脛骨筋がGoodというMMT所見はIII群の特徴と完全に一致します。
選択肢ごとの解説
- 1. I群はL1以下麻痺がなく、股関節周囲筋の機能が保たれている状態を指します。本症例では内側ハムストリングスがPoorであり、股関節伸展筋(ハムストリングス)の機能が低下しているため、I群には該当しません。正しくは:I群に該当するためには、内側ハムストリングスを含むL1以下の筋力が概ね正常である必要があります。選びやすい理由:MMTの具体的な評価項目が複雑なため、分類を正確に覚えていないと誤って選択する可能性があります。混同注意:他の分類や、麻痺レベルとSharrard分類の関連性を混同しやすいです。
- 2. II群はL2麻痺に相当し、腸腰筋がNormalですが、大腿四頭筋や内転筋の機能が低下している状態です。本症例では大腿四頭筋がNormalであり、II群には該当しません。正しくは:II群に該当するためには、大腿四頭筋もPoor以下である必要があります。選びやすい理由:足部変形や潜在性という情報から、L2レベルの麻痺をイメージしてしまう可能性があります。混同注意:各群でどの筋群の麻痺が特徴的であるかを正確に把握していないと混乱します。
- 3. 正解。Sharrardの分類III群は、L3麻痺に相当し、大腿四頭筋がNormal、内側ハムストリングスがPoor、前脛骨筋がFair、後脛骨筋がGoodといったMMT所見が特徴的です。股関節屈筋、膝伸筋は良好ですが、股関節伸筋、膝屈筋、足関節背屈筋・底屈筋に一部麻痺が見られます。設問のMMT結果と一致するため、III群が正答です。選びやすい理由:特になし。情報と合致しているため。
- 4. IV群はL4麻痺に相当し、大腿四頭筋がNormal、内側ハムストリングスがGood、前脛骨筋がNormal、後脛骨筋がFairといった所見が特徴です。本症例では内側ハムストリングスがPoor、前脛骨筋がFair、後脛骨筋がGoodであり、IV群のMMT所見とは異なります。正しくは:IV群に該当するためには、内側ハムストリングスがGood、前脛骨筋がNormalである必要があります。選びやすい理由:足部変形からより遠位の麻痺を想像し、L4レベルと誤認する可能性があります。混同注意:各群のMMT所見(特にGood、Fair、Poorの組み合わせ)の正確な知識が求められます。
- 5. V群はL5麻痺に相当し、股関節屈筋・伸筋、膝屈筋・伸筋はNormalで、足関節背屈筋(前脛骨筋)がNormal、後脛骨筋がGoodといった所見が特徴です。本症例では前脛骨筋がFairであり、V群には該当しません。正しくは:V群に該当するためには、前脛骨筋がNormalである必要があります。選びやすい理由:足部の変形が強調されているため、L5レベルの麻痺を推測する可能性があります。混同注意:S1麻痺やさらに遠位の麻痺(仙髄レベル)との区別も重要です。
国試ポイント
Sharrardの分類は、二分脊椎の障害レベルをMMT所見と関連付けて理解しているかを問う問題です。各群の特徴的なMMT所見(特に主要筋群の筋力レベル)を正確に覚えていることが重要になります。また、提示された足部変形が、そのMMT所見と整合性があるかどうかも判断材料となります。
混同注意
Sharrardの分類は、単純な脊髄神経レベル(例: L3麻痺)と一致しない場合があり、具体的な筋力テストの結果と照らし合わせることが重要です。また、他の疾患の分類法や、一般的な麻痺レベルの評価と混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合は、まずMMTの各筋力評価を正確に読み取り、それがSharrardの各分類群のどの神経レベルに相当し、特徴的な筋力パターンと合致するかを確認します。特に、大腿四頭筋、ハムストリングス、前脛骨筋、後脛骨筋といった主要な筋のMMT結果は重要です。また、提示された画像所見がMMTの結果と矛盾しないかも確認する視点が必要です。
関連知識
Sharrardの分類は、二分脊椎患者の歩行能力予測や装具・手術適応の判断にも用いられます。各群の機能的特徴(例:歩行能力、股関節の変形傾向など)も合わせて理解しておくと良いでしょう。足部の変形は、MMTの結果と合わせて、どの筋のアンバランスによって生じているかを考えるヒントになります。