下垂体前葉から分泌されるホルモンはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
プロラクチンは、下垂体前葉から分泌される代表的なホルモンであり、乳汁の生成と分泌を促進する作用があります。メラトニンは松果体、オキシトシンとバソプレシンは下垂体後葉(視床下部で産生)、テストステロンは主に精巣や卵巣から分泌されるため、選択肢1, 2, 3, 5は誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. メラトニンは、脳の松果体から分泌されるホルモンで、睡眠と覚醒のリズム(概日リズム)の調節に重要な役割を果たします。正しくは:下垂体前葉から分泌されるホルモンではありません。松果体から分泌されます。選びやすい理由:ホルモンであることは間違いないため、分泌源の知識が曖昧な場合、選択肢として魅力的です。混同注意:下垂体以外の脳の部位(松果体、視床下部など)から分泌されるホルモンと混同しやすいです。
- 2. オキシトシンは、視床下部で産生され、下垂体後葉から分泌されるホルモンです。子宮収縮や乳汁射出、母子間の絆形成などに関与します。正しくは:下垂体前葉ではなく、下垂体後葉から分泌されます。選びやすい理由:下垂体から分泌されるホルモンであるため、前葉と後葉の区別が曖昧だと選びやすいです。混同注意:同じく乳汁分泌に関わるプロラクチン(下垂体前葉)や、下垂体から分泌される他のホルモンと分泌部位を混同しやすいです。
- 3. バソプレシン(抗利尿ホルモン)も、視床下部で産生され、下垂体後葉から分泌されるホルモンです。腎臓での水の再吸収を促進し、尿量を減少させる作用があります。正しくは:下垂体前葉ではなく、下垂体後葉から分泌されます。選びやすい理由:下垂体から分泌されるホルモンであるため、前葉と後葉の区別が曖昧だと選びやすいです。混同注意:オキシトシンと同様に、下垂体後葉ホルモンであることを忘れ、前葉ホルモンと混同することがあります。
- 4. 正解。プロラクチンは下垂体前葉から分泌される主要なホルモンの一つで、乳腺の発育や乳汁の生成・分泌を促進する作用があります。
- 5. テストステロンは、主に男性の精巣や女性の卵巣(および副腎皮質)から分泌される性ホルモンです。下垂体前葉からは分泌されません。正しくは:下垂体前葉から分泌されるホルモンではありません。主に精巣や卵巣から分泌されます。選びやすい理由:身体の重要な機能に関わるホルモンであり、ホルモン一般の知識と混同して選択してしまう可能性があります。混同注意:下垂体前葉から分泌される性腺刺激ホルモン(黄体形成ホルモンLH、卵胞刺激ホルモンFSH)とその標的である性腺から分泌されるホルモン(テストステロン、エストロゲン)の区別が曖昧だと混同しやすいです。
国試ポイント
内分泌系の問題では、各臓器から分泌されるホルモンの名称、主な作用、そして分泌部位が頻繁に問われます。特に下垂体前葉と後葉から分泌されるホルモンの種類とその機能を正確に区別できるかが重要です。
混同注意
下垂体前葉ホルモンと下垂体後葉ホルモンの区別が曖昧になりがちです。また、ホルモンの『産生部位』(例:視床下部)と『分泌部位』(例:下垂体後葉)を混同するケースも見られます。乳汁分泌に関わるプロラクチン(前葉)とオキシトシン(後葉)の作用と分泌源の違いも混同しやすい点です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た際には、ホルモンの分泌部位だけでなく、そのホルモンの具体的な生理作用、標的臓器、さらには過剰分泌や欠乏時に生じる症状についても確認するようにしましょう。また、視床下部-下垂体-標的腺のフィードバック機構の理解も重要です。
関連知識
下垂体前葉からは、プロラクチンの他に、成長ホルモン(GH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)が分泌されます。下垂体後葉からは、オキシトシンとバソプレシンが分泌されます(これらは視床下部で産生されます)。内分泌系の疾患では、これらのホルモンの過剰分泌や分泌不足による症状も問われることがあります。