平滑筋で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
平滑筋は、持続的な収縮を必要とするため、酸素供給が一時的に不足する状況でも機能できるよう、主に解糖系に依存してATPを生成します。これは、急激な運動を必要としない平滑筋の生理的特性と合致しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 平滑筋は不随意筋であり、意識的に動かすことはできません。正しくは:平滑筋は自分の意思では動かせません(不随意筋です)。選びやすい理由:筋肉=動かすものという一般的なイメージから、随意性を連想するかもしれませんが、平滑筋は内臓や血管壁に存在し、自律神経系によって制御されます。混同注意:随意筋である骨格筋と混同しやすいです。
- 2. 正解。平滑筋は持続的な収縮を行うことが多く、ミトコンドリアが少なく酸素供給が限定的であるため、主に解糖系によるATP供給に依存しています。これは、同じ不随意筋である心筋が酸化的リン酸化に大きく依存するのと対照的です。選びやすい理由:多くの細胞が酸化的リン酸化を主なエネルギー源とすることから、間違いやすいかもしれませんが、平滑筋は代謝特性が異なります。
- 3. 平滑筋の収縮速度は骨格筋に比べて非常に遅いです。これは、ミオシンATPase活性が低いことや、クロスブリッジの回転速度が遅いことによります。正しくは:平滑筋の収縮速度は骨格筋よりも遅いです。選びやすい理由:収縮と聞くと速い動きを連想しがちですが、平滑筋の役割は持続的な収縮やトーヌスの維持です。混同注意:素早い収縮を特徴とする骨格筋(特に速筋線維)と混同しやすいです。
- 4. 平滑筋には横紋がなく、筋フィラメントは不規則に配列しています。アクチンフィラメントは密体や細胞膜に付着し、ミオシンフィラメントはアクチンフィラメント間に散在しています。正しくは:筋フィラメントは規則正しく並んでいません(横紋構造がありません)。選びやすい理由:筋肉であれば筋フィラメントが秩序だって並んでいると想像しがちですが、平滑筋の構造は骨格筋や心筋とは異なります。混同注意:横紋構造を持つ骨格筋や心筋と混同しやすいです。
- 5. 平滑筋は骨格筋に比べて、単位断面積あたりの最大収縮張力が大きいです。これは、平滑筋が長時間のトーヌス維持や大きな圧力を発生させる役割を担うため、効率的に力を発揮できる構造を持つからです。正しくは:骨格筋に比べて、同じ断面積あたりの収縮張力は大きいです。選びやすい理由:不随意筋であることから、骨格筋より劣っているというイメージを持つと誤りやすいですが、力発揮の効率性は高いです。混同注意:収縮速度が遅いことと、収縮張力が小さいことを混同しやすいです。
国試ポイント
平滑筋の構造的特徴(横紋なし、不随意筋)、収縮特性(遅い、持続的)、そして特に代謝特性(解糖系依存)について理解しているかを問う問題です。骨格筋や心筋との比較で正誤を判断させる形式がよく出されます。
混同注意
平滑筋の「遅い収縮速度」と「高い単位断面積あたりの張力」という対照的な特性、また「不随意性」と「代謝経路」を正確に区別する必要があります。特に代謝経路は、心筋の「酸化的リン酸化依存」と混同しやすい点です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、平滑筋の収縮メカニズムにおけるCa2+の役割(カルモジュリンとの結合)、ミオシン軽鎖キナーゼの活性化、または刺激伝達経路(ギャップ結合の有無)について問われる可能性があります。
関連知識
骨格筋、心筋、平滑筋の形態的、機能的、代謝的特徴の比較。特に、収縮メカニズム(アクチン・ミオシン、トロポニン・カルモジュリンの違い)、神経支配(体性神経系、自律神経系)、興奮収縮連関(Ca2+の供給源)についても関連知識として重要です。