末梢神経と体表からの触知部位の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
尺骨神経は、上腕骨内側上顆のすぐ後方を走行しており、体表から容易に触れることができます。この部位は、肘関節を構成する主要な骨性ランドマークである肘頭と上腕骨内側上顆の間という明確な位置関係にあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 脛骨神経は、足関節の内果とアキレス腱の間(足根管内)を走行します。外果は足関節の外側にあるため、この組み合わせは誤りです。正しくは:「脛骨神経: 内果とアキレス腱の間」選びやすい理由:足関節周辺の神経であることは合っているため、内果と外果の区別があいまいだと誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:足関節の外側を走行する神経(例:浅腓骨神経の末梢枝)や、足関節のランドマーク(内果と外果)の区別と混同しやすいです。
- 2. 正解。尺骨神経は、上腕骨内側上顆の後面にある溝(尺骨神経溝)を走行しており、肘頭との間で容易に体表から触知できます。俗に「ファニーボーン」とも呼ばれる部位です。
- 3. 正中神経は上腕では上腕動脈に伴走し、烏口腕筋の「内側」を走行します。外側ではありません。正しくは:「正中神経: 上腕近位部で烏口腕筋の内側」選びやすい理由:烏口腕筋の近くを通ることは事実であり、内側か外側かという具体的な位置関係の知識が曖昧だと誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:上腕を走行する他の神経(筋皮神経、橈骨神経など)の相対的な位置関係や、正中神経が前腕ではもっと体表近くになることと混同しやすいです。
- 4. 腕神経叢は、主に斜角筋隙(前斜角筋と中斜角筋の間)や鎖骨上窩で触知可能です。胸鎖乳突筋の胸骨頭と鎖骨頭の間は、主に総頚動脈や内頚静脈の触知部位であり、腕神経叢の位置ではありません。正しくは:「腕神経叢: 鎖骨上窩(または斜角筋隙)」選びやすい理由:首の付け根という大まかな場所は合っているため、具体的な解剖学的ランドマークの知識が不足していると選びやすいかもしれません。混同注意:総頚動脈や内頚静脈の触知部位、または頚神経叢の位置と混同しやすいです。
- 5. 総腓骨神経は膝窩の「外側」、腓骨頭のすぐ後方を走行し、ここで体表から触知可能です。半腱様筋は膝窩の「内側」に位置する筋肉の腱です。正しくは:「総腓骨神経: 膝窩部で腓骨頭の後方」選びやすい理由:膝窩部の神経であることは合っているため、内側と外側の区別があいまいだと誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:脛骨神経(膝窩の内側を通る)や大腿神経(大腿三角)など、下肢の他の主要神経の走行と混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、主要な末梢神経の解剖学的走行と、体表から触知可能なランドマークとの正確な関係性を問うています。特に、神経が骨や腱などの構造の間を通過する部位は、神経損傷のリスクが高いとともに、理学療法士が評価や治療を行う上で重要な触診部位となるため、基礎的な知識として必須です。
混同注意
多くの選択肢で「内側/外側」や「~と~の間」といった細かな位置関係の誤りが提示されています。これは、似たような部位を通る他の神経や、隣接する構造との位置関係が曖昧である場合に混同しやすいポイントです。特に、足関節の脛骨神経と腓骨神経、上腕の正中神経と橈骨神経・尺骨神経、頚部の腕神経叢と血管構造など。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、まず各末梢神経の主要な走行路と、その神経が体表に最も近づく、あるいは骨性ランドマークとの関係が明確な部位を正確に把握しているかを確認しましょう。特に「内側・外側」「前方・後方」「~と~の間」といった細かい位置関係を問われることが多いため、図解で確認し、実際に自己触診などで体感して覚えることが有効です。
関連知識
この問題に関連して、以下の末梢神経の触知部位も学習しておくと良いでしょう。橈骨神経(上腕骨外側上顆前方)、正中神経(肘窩)、総腓骨神経(腓骨頭後方)、大腿神経(鼠径靭帯中央部)、坐骨神経(臀部梨状筋下孔)。また、各神経の支配領域(筋、皮膚)や、損傷時の症状についても合わせて理解することが重要です。