疼痛を伝達する神経線維はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
痛みは主にAδ線維とC線維によって伝達されます。Aδ線維は有髄で伝導速度が速く、鋭く短い「一次痛」を伝えます。一方、C線維は無髄で伝導速度が遅く、鈍く持続的な「二次痛」を伝えます。Aα線維は運動や深部感覚、Aβ線維は触覚・圧覚・振動覚、B線維は自律神経の節前線維として機能し、痛みの伝達には直接関与しません。
選択肢ごとの解説
- 1. Aα線維は、主に骨格筋への運動指令の伝達や、筋肉の伸張具合や腱の張力といった深部感覚(固有受容感覚)の伝達を担っています。痛みの伝達には関与しません。正しくは:Aα線維は、運動神経や、筋紡錘の一次終末・ゴルジ腱器官からの感覚情報を伝達します。選びやすい理由:神経線維の一種であるため、他の感覚と同様に痛みも伝えるのではないかと誤解されやすいです。混同注意:Aβ線維やAδ線維など、他のA群線維と機能が混同されやすいです。
- 2. Aβ線維は、触覚、圧覚、振動覚といった皮膚の機械受容器からの情報を主に伝達します。痛みの伝達には関与しません。正しくは:Aβ線維は、主に触覚、圧覚、振動覚といった識別性の高い感覚情報を伝達します。選びやすい理由:Aδ線維と似た名前であるため、痛みの伝達に関わる線維と勘違いされやすいです。混同注意:Aδ線維(速い痛み)やC線維(遅い痛み)と、その伝達する感覚の種類が混同されやすいです。
- 3. 正解。Aδ線維は、有髄の細い神経線維で、比較的速い伝導速度を持ち、鋭い、局所のはっきりした「一次痛」と呼ばれる痛みの情報を伝達します。また、冷覚や識別性の低い触覚も伝達します。
- 4. B線維は、主に自律神経系の節前線維として機能し、内臓の活動を調節します。痛みの感覚伝達には直接関与しません。正しくは:B線維は、自律神経系の節前線維として、内臓機能の調節に関わる情報を伝達します。選びやすい理由:神経線維の一種であるため、何らかの感覚伝達に関与すると誤解される可能性があります。混同注意:感覚神経線維であるA群線維やC線維と、その機能が混同されやすいです。
- 5. 正解。C線維は、無髄の極めて細い神経線維で、伝導速度が最も遅く、鈍く、焼けるような、持続的な「二次痛」と呼ばれる痛みの情報を伝達します。また、温覚や痒みなども伝達します。
国試ポイント
理学療法士国家試験では、神経線維の種類(Aα、Aβ、Aγ、Aδ、B、C)と、それぞれが伝達する感覚の種類や運動機能、そしてその特徴(有髄/無髄、伝導速度、線維径)について問われることが頻繁にあります。特に痛みの伝達に関わるAδ線維とC線維は重要です。
混同注意
Aδ線維とAβ線維の名前の類似性から、それぞれの機能が混同されやすいです。また、Aα線維が運動と深部感覚、Aβ線維が触覚・圧覚・振動覚、Aδ線維が速い痛み・冷覚、C線維が遅い痛み・温覚・痒みと、それぞれの役割を正確に区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各神経線維の種類と、それぞれが伝達する主要な感覚モダリティ(運動、固有受容感覚、触覚、圧覚、振動覚、温覚、冷覚、痛覚、痒覚など)およびその特徴(有髄/無髄、伝導速度の速さ)を正確に結びつけられるかを確認してください。特に、痛みや温度といった生命維持に関わる感覚と、識別性の高い触覚・圧覚の違いを意識すると良いでしょう。
関連知識
神経線維は、その機能と特性に基づいて分類されます。直径が大きく有髄であるほど伝導速度は速くなります。A群線維は有髄で、Aαが最も太く速く、順にAβ、Aγ、Aδと細く遅くなります。B線維も有髄ですが自律神経系です。C線維は最も細く無髄で、伝導速度が最も遅いです。痛覚の経路は、末梢神経から脊髄の後角に入り、そこでニューロンを乗り換え、脊髄視床路などを経て視床、最終的に大脳皮質へと伝わります。