腕神経叢後神経束の障害で筋力低下が生じるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
腕神経叢は、内側神経束、外側神経束、後神経束の3つの神経束に分かれます。後神経束からは、腋窩神経と橈骨神経が分岐します。腋窩神経は三角筋と小円筋を支配し、橈骨神経は上腕三頭筋や前腕伸筋群などを支配します。したがって、後神経束の障害では、三角筋と上腕三頭筋に筋力低下が生じます。
選択肢ごとの解説
- 1. 上腕二頭筋は筋皮神経によって支配されており、この神経は腕神経叢の外側神経束から分岐します。正しくは:上腕二頭筋の筋力低下は、外側神経束または筋皮神経の障害で生じます。選びやすい理由:上肢の主要な屈筋であり、他の上肢の筋肉と混同しやすいですが、支配神経の由来が異なります。混同注意:後神経束支配の筋肉(三角筋、上腕三頭筋など)と混同しやすいです。
- 2. 正解。上腕三頭筋は橈骨神経によって支配されており、橈骨神経は腕神経叢の後神経束から分岐します。そのため、後神経束の障害により筋力低下が生じます。
- 3. 大胸筋は内側胸筋神経と外側胸筋神経によって支配されており、これらは腕神経叢の内側神経束および外側神経束から分岐します。後神経束からは支配されません。正しくは:大胸筋の筋力低下は、内側または外側胸筋神経、あるいはそれぞれが由来する内側神経束または外側神経束の障害で生じます。選びやすい理由:胸部の大きな筋肉であり、上肢の運動に関与するため、腕神経叢全体の障害と誤解されがちですが、特定の神経束との関連を理解する必要があります。混同注意:他の腕神経叢由来の神経支配を受ける筋肉と混同しやすいです。
- 4. 前鋸筋は長胸神経によって支配されており、長胸神経は腕神経叢の神経根(C5-C7)から直接分岐します。神経束からは分岐しません。正しくは:前鋸筋の筋力低下は、長胸神経またはその神経根レベルでの障害で生じます。選びやすい理由:肩甲骨の安定化に重要な筋肉であり、上肢の機能と密接に関わるため、腕神経叢の障害と関連付けやすいですが、支配のレベルが異なります。混同注意:神経束から分岐する他の神経支配の筋肉と混同しやすいです。
- 5. 正解。三角筋は腋窩神経によって支配されており、腋窩神経は腕神経叢の後神経束から分岐します。したがって、後神経束の障害により筋力低下が生じます。
国試ポイント
腕神経叢の神経束ごとの支配筋を正確に理解しているか、特に後神経束からの分岐とその支配筋を問う問題です。臨床的にも重要な知識であり、各神経束から分岐する主要神経とその支配筋の組み合わせを暗記しておく必要があります。
混同注意
腕神経叢の各神経束(内側、外側、後)から分岐する神経と、それらによって支配される筋肉の組み合わせは、非常に混同しやすいポイントです。また、神経根レベルから直接分岐する神経(例:長胸神経)と神経束から分岐する神経の違いも混同の原因となります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、内側神経束や外側神経束の障害で筋力低下が生じる筋肉について問われる可能性が高いです。また、神経根レベルの障害で筋力低下が生じる筋肉や、特定の神経(例:正中神経、尺骨神経)の障害で生じる具体的な症状(感覚障害も含む)についても確認しておくべきです。
関連知識
腕神経叢の解剖学(神経根、神経幹、神経束、末梢神経)、各神経束から分岐する主要な末梢神経(筋皮神経、正中神経、尺骨神経、腋窩神経、橈骨神経)とその支配筋群、損傷部位と症状の関連性、Brachial Plexus Injury(腕神経叢損傷)の分類(上位型、下位型など)。