関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で前額面上の角度を測定するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
関節可動域測定では、各関節の動きがどの解剖学的平面(矢状面、前額面、水平面)で主に起こるかを理解することが重要です。肩甲帯挙上は、肩甲骨が上方に動く運動であり、これは身体を左右に分ける前額面上で評価される動きです。他の選択肢は、それぞれ矢状面、水平面での運動に該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。肩甲帯挙上は、肩甲骨が上方に移動する運動であり、この動きは前額面(身体を左右に分ける面)上で評価されます。日本整形外科学会および日本リハビリテーション医学会の基準では、肩甲帯の動きは前額面上の可動域として測定されます。選びやすい理由:他の選択肢が明確に別の面での運動であるため、相対的に選びやすい。混同注意:肩関節の屈曲や外転と混同しがちですが、これらは肩甲帯ではなく肩関節自体の動きであり、評価面が異なります。
- 2. 肩内旋は、上腕骨がその長軸を中心に内側に回旋する運動です。この動きは主に水平面または横断面(身体を上下に分ける面)で評価されます。前額面上での測定は適切ではありません。正しくは:肩内旋は水平面(または横断面)で角度を測定します。選びやすい理由:肩関節の運動なので、なんとなく関連があるように感じるかもしれない。混同注意:肩関節の屈曲や外転(これらは前額面や矢状面で測定される)と混同することがあります。
- 3. 膝伸展は、膝関節が曲がった状態からまっすぐになる運動です。この動きは矢状面(身体を前後に分ける面)上で評価されます。前額面上での測定は適切ではありません。正しくは:膝伸展は矢状面で角度を測定します。選びやすい理由:下肢の基本的な運動であり、日常的によく見られるため、選択肢として違和感がない。混同注意:股関節の外転・内転(前額面)や膝の内外旋(水平面)と混同することがあります。
- 4. 頸部屈曲は、頭部が前方に傾く運動です。この動きは矢状面(身体を前後に分ける面)上で評価されます。前額面上での測定は適切ではありません。正しくは:頸部屈曲は矢状面で角度を測定します。選びやすい理由:頸部の運動であり、どの面で評価するか曖昧に感じることがある。混同注意:頸部側屈(前額面)や頸部回旋(水平面)と混同することがあります。
- 5. 胸腰部回旋は、体幹が左右にねじれる運動です。この動きは水平面または横断面(身体を上下に分ける面)上で評価されます。前額面上での測定は適切ではありません。正しくは:胸腰部回旋は水平面(または横断面)で角度を測定します。選びやすい理由:体幹の動きであり、複雑なため、どの面か判断に迷うことがある。混同注意:胸腰部の側屈(前額面)や屈曲・伸展(矢状面)と混同することがあります。
国試ポイント
この問題は、主要な関節運動がどの解剖学的平面上で測定されるかを問うものです。基本的な関節運動と解剖学的平面との関連性を正確に理解しているかが試されます。特に、特定の部位の『帯』の動きと、その部位の『関節』の動きとで評価面が異なる場合がある点に注意が必要です。
混同注意
各関節の基本的な運動がどの面で行われるかの知識が不確かだと、特に側屈・回旋などの運動と混同しやすいです。例えば、頸部側屈は前額面ですが、頸部屈曲は矢状面です。また、肩関節の内外旋は水平面ですが、肩関節の外転は前額面です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の代表的な関節運動(例:股関節外転、足関節背屈、肩関節屈曲など)がどの解剖学的平面で測定されるか、また、特定の関節運動が複数の平面にまたがる場合(複合運動)についても問われる可能性があるため、幅広い知識の確認が必要となるでしょう。また、各面における基準値についても確認しておくと良いでしょう。
関連知識
関節可動域測定における基本肢位、測定肢位、最終域の判断、角度計の当て方、各運動の正常値、そして最も重要な解剖学的平面(矢状面、前額面、水平面)とそれに対応する運動の種類に関する知識。特に日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準における各関節の具体的な測定方法を理解していることが求められます。