主観的幸福感を評価できるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
PGCモラールスケール改訂版は、高齢者の精神的健康状態、特に士気(モラール)や主観的な幸福感を評価するために開発された尺度です。他の選択肢は、日常生活活動(ADL)の自立度や健康関連QOL、活動能力を評価するものであり、直接的に主観的幸福感を測定するものではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. FIMは、日常生活活動(ADL)における介助の必要性を客観的に評価するツールであり、個人の主観的な幸福感を直接評価するものではありません。正しくは:FIMは、ADLの自立度を評価する尺度です。選びやすい理由:リハビリテーションの分野で広く用いられる評価法なので、何らかのQOL関連指標と誤解するかもしれません。混同注意:QOL(生活の質)に関する評価全般、または他の高齢者評価尺度。
- 2. Katz Indexは、基本的な日常生活活動(ADL)の自立度を評価する指標であり、患者の主観的な幸福感とは関連が薄いです。正しくは:Katz Indexは、基本的なADLの自立度を評価する尺度です。選びやすい理由:FIMと同様にADL評価尺度として有名なので、QOL関連指標と混同する可能性があります。混同注意:他のADL評価尺度、または高齢者における機能評価尺度。
- 3. 正解。PGCモラールスケール改訂版は、高齢者の士気(モラール)や幸福感を測定するために開発された心理尺度であり、主観的な幸福感の評価に適しています。選びやすい理由:この尺度の名称に「モラール」とあり、心理状態を評価するものであることが推測しやすいです。混同注意:QOL尺度全般、または他の心理評価尺度。
- 4. 老研式活動能力指標は、手段的日常生活活動(IADL)や社会的な活動能力を評価するもので、個人の主観的な幸福感を直接測ることを目的としていません。正しくは:老研式活動能力指標は、高齢者のIADLを含む活動能力を評価する尺度です。選びやすい理由:高齢者の「活動能力」を評価する指標なので、高齢者のQOL全般と結びつけて誤解する可能性があります。混同注意:他のIADL評価尺度、または高齢者の総合的な機能評価尺度。
- 5. SF-36は、健康関連QOL(Quality of Life)を評価するための汎用的な尺度であり、身体的・精神的健康状態を多角的に評価しますが、主観的な「幸福感」そのものを直接測定するものではありません。あくまで健康に関連した生活の質が焦点です。正しくは:SF-36は、健康関連QOLを評価する尺度であり、身体的・精神的健康状態を多角的に測定します。選びやすい理由:QOLを評価する代表的な尺度であり、幸福感とQOLが密接に関連するため、正しい選択肢と誤解しやすいです。混同注意:QOL(生活の質)と幸福感の区別。特に心理的QOL尺度。
国試ポイント
この問題は、様々な評価尺度の目的と内容を正確に理解しているかを問うものです。特に、ADLやQOL、精神心理的側面を評価する尺度の違いを区別できるかが重要です。
混同注意
QOL評価尺度と幸福感評価尺度の違い。特に、健康関連QOL尺度は身体的・精神的健康状態を総合的に評価しますが、幸福感はその一部であり、より主観的・感情的な側面を指します。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出た場合、まず評価尺度の名称から『何を評価することを目的としているか』という根本的なポイントを確認しましょう。特に、『自立度』『機能』『QOL』『心理状態』『幸福感』といったキーワードで分類して理解することが重要です。
関連知識
ADL評価尺度(FIM, Katz Index)、IADL評価尺度(老研式活動能力指標、Lawton & Brody IADL尺度)、QOL評価尺度(SF-36, WHOQOL-26)、うつ病評価尺度(GDS、CES-D)などの各種評価尺度の目的、評価項目、特徴を理解しておく必要があります。