Danielsらの肩関節の徒手筋力テストにおける段階と測定肢位の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
Danielsらの徒手筋力テストにおいて、肩関節外旋のMMTで段階4(重力に抗して全可動域での運動が可能で、かつ軽度から中等度の抵抗に抗せる状態)を測定する場合、患者は座位で肘関節を90度屈曲させ、前腕の遠位端に抵抗を加えるのが適切な測定肢位と抵抗の加え方です。
選択肢ごとの解説
- 1. 肩関節屈曲のMMTで、重力の影響を排除して測定する段階(2)の基本肢位は側臥位です。背臥位では重力の影響を受けるため、段階3(重力に抗する運動)以降の測定肢位となります。正しくは:肩関節屈曲のMMT、段階2の基本肢位は側臥位です。選びやすい理由:背臥位はよく用いられるMMTの測定肢位であるため、選択肢として見慣れている可能性があります。混同注意:重力の影響を排除する肢位と、重力に抗する肢位での測定方法を混同しやすいです。
- 2. 肩関節伸展のMMTで、重力に抗して全可動域で運動できる段階(3)の基本肢位は腹臥位です。座位では重力の影響が異なり、伸展の運動方向と合致しません。正しくは:肩関節伸展のMMT、段階3の基本肢位は腹臥位です。選びやすい理由:座位はMMTで多く用いられる一般的な肢位であるため、誤って正しいと判断してしまう可能性があります。混同注意:各関節の運動方向に対する重力の影響を考慮した正しい測定肢位を混同しやすいです。
- 3. 正解。肩関節外旋のMMTにおいて、重力に抗して全可動域で運動でき、かつ軽度から中等度の抵抗に抗せる段階(4)の測定では、座位で実施し、肘関節を90度屈曲位で固定し、前腕の遠位端に抵抗を加えます。これは適切な測定肢位の組み合わせです。
- 4. 肩関節水平内転のMMTで、重力の影響を排除して運動を測定する段階(2)の基本肢位は背臥位です。腹臥位では重力の影響が水平内転の運動方向と合致せず、測定に適しません。正しくは:肩関節水平内転のMMT、段階2の基本肢位は背臥位です。選びやすい理由:腹臥位もMMTで用いられる肢位の一つですが、水平内転の段階2には不適切です。混同注意:水平運動の重力の影響を排除する肢位と、重力に抗する肢位での測定方法を混同しやすいです。
- 5. 肩関節水平外転のMMTで、重力の影響を排除して運動を測定する段階(2)の基本肢位は座位(テーブル上滑走)または背臥位(肩関節90度屈曲位での水平外転)です。側臥位では重力の影響を完全に排除することが困難であり、この運動の段階2の測定肢位としては不適切です。正しくは:肩関節水平外転のMMT、段階2の基本肢位は座位(テーブル上滑走)または背臥位です。選びやすい理由:側臥位は他の運動の段階2で用いられることがあり、混同しやすいです。混同注意:水平外転の重力の影響を排除する肢位と、他の運動の段階2の測定肢位を混同しやすいです。
国試ポイント
徒手筋力テスト(MMT)における各関節・各運動の段階(特に段階2、3)と、それに対応する測定肢位および抵抗を加える位置について正確な知識が問われています。重力の影響を考慮した肢位の理解が重要です。特に、よく使われる測定肢位(座位、背臥位、腹臥位、側臥位)が、どの運動、どの段階に適用されるかを問う問題が多いです。
混同注意
重力の影響を排除する肢位(段階2)と、重力に抗して運動する肢位(段階3以降)を混同しやすいです。また、似たような名前の運動(例:水平内転と水平外転)の測定肢位を取り違えやすいです。上肢と下肢の測定肢位の区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、肩関節以外の主要関節(股関節、膝関節、肘関節など)のMMTにおける段階2と段階3の測定肢位、および主要な運動の段階4、5における抵抗を加える位置を確認すると良いでしょう。特に、紛らわしい水平運動や回旋運動の測定肢位に注意が必要です。
関連知識
各関節の主要な運動筋と、その筋が働く方向における重力の関係性。MMTの実施手順、抵抗の加え方、筋力評価の目的と意義。各段階の定義(5, 4, 3, 2, 1, 0)。